*運命のお伽話
「トレイー、」
「…本来、報告書とは自分でやるものですよ。」
トレイは、やっぱり凄い。
「ねーえー、」
「さっき食べたでしょう…」
最後まで伝えなくても、全て伝わる。
「トーレイーっ」
「聞いてますから、本を引っ張らないでください!」
まるで御伽噺に出てくる、
「…トレイー」
「…はぁ。目、瞑ってください。」
魔法使いの王子様。
「なんでトレイは頭がいいのぉ?」
ブラブラと、足を揺らしながらシンクは訪ねる。穏やかな喧騒と緩やかな日差し。小鳥の声もページをめくる音も、リズムを持ち耳に届く。
「頭がいいわけではないです。当たり前の事じゃないですか。」
当たり前だ、答える彼がページを捲るリズムは一定だ。
「そうかなー?」
「そういう貴女も、何も言わずともこの場所にきてくれたでしょう。」
「えー?ここって恋人同士の待ち合わせ場所で有名だよー?」
「ホラ、貴女もわかってるじゃないですか。」
特に『恋人』と言った覚えはない。
「えー、何が何が??」
「何でわからないんですか。」
それでもちゃんと通じている。
「シンク。」
「え?」
そんな貴女が
「好きですよ。」
「うん、私もー。」
運命のお姫様。
++++
トレシン、書いてみると可愛かったです
ノーマルではA2、87しか安定してませんでしたから…
マキ→レムは安定してます、マキ→レム
12.1.23
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[mokuji]
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