えふえふ | ナノ



いきなり絶対命令1

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「王様ゲームやりたい。」
「あ、うん。わかったから黙って」

今日も快晴、ときどき爆弾発言。
秩序軍お茶会で、今回もまた突拍子ないティーダの発言がやって来ました。冷たくあしらおうとしているのはまさかのオニオン。随分お疲れ気味のようである。

「もう始まる前からオチが読めるネタ止めようよ。つか止めろ」
「大丈夫、僕達ならいくらでも未来を変えられるから!」
「いいセリフだね」
「セシル。嫌な意味で?絶対嫌な意味でだよね?」

オニオンは冷めた目で永遠に牛乳をかき混ぜ続ける。かなり狂気を感じる。

「クリスタルの輝きが私達の希望ですよ、オニオンナイト」
「ごめんなさい。コスモスの言葉がわからないよ」

訳すれば、「私もやりたい。ウォル、許可しなさい」です。
アイコンタクトが通じたウォーリアは力強く頷いた。

「ではコスモス様ゲームを始めよう」




いきなり絶対命令〜リーダー、ゲーム名変わってます〜


「なんか幻聴聞こえなかったか?何?コスモス様ゲーム?」
「ジタン〜、若いのにもう幻聴か?」
「薬ダメ、絶対」
「いやいやいや、若いのにとか言うなバッツテメェ年齢詐欺が。レディー、薬はやめよう笑えない」

オニオンはツッコミ疲れて机から顔を上げない。ブツブツと「何でこの人がリーダーなの?何でツッコミ少ないの?もーやだこんな世界やだ」と呪詛が聞こえるが、横がティナとセシルだから完全スルー。

「で、王様ゲームって何?」
「知らないのかよ!!」

ノリノリのセシルは本当にノリだったことが判明した。

「ルール説明よろしくトットさん」
「よろしくてよ」

咳払い一つ、説明が始まった。

「王様ゲームとは、王様が番号で好きな命令が出来る素晴らしいゲームですわ。以上」
「短っ」
「例としては・・・・・そこの10の仔犬君、負け犬を呼んで来なさいな」
「オレッスか?」

ティーダが素直に駆けていって数分。ガブラスの手を引いて帰ってきた。後ろに混沌勢を率いて。

「・・・・・取ってこいの犬だな」
「オレも同じこと思った」

笑顔でシャントットに頭を撫でられているが、身長的におかしい。本人が嬉しいならば、と仲間達は生暖かい目で彼を見ていた。

「小僧から面白い事を聞いたのじゃが」

暗闇の雲の嬉々とした声に皆が「またティーダか」という目を向ける。きっとガブラスを連れてくる時にうっかりもなにもなく、口を滑らせてすべてを喋ってしまったのだろう。だがコスモスが笑顔だ。ここまで計算ずくだと言うのか。

「これで楽しくなりそうですね」
「まったくだーぁ」
「うお!? カオスいつの間に・・・」

いつもは見ない巨体がのばらを愛でているのに、フリオニールは若干、いやかなり引いている。

「こうなるからネタが読めるんだよ。ねぇ読者の皆さん」
「どうしたオニオン。疲れているのか。ミルクのおかわりはあるぞ」

まだお茶を飲んでいたクラウドが、ずれた励ましをする。

「いや・・・・・いいデス」
「私はレモンティーを貰います」
「ハイ兄さんストレート♪」
「すまんなセシル」

勝手にマイカップまで持参して紅茶を入れ出す傍観組。因みにスコールとクラウドは始まって以来、定位置から一歩も動いていない。単に話に巻き込まれたくないようだ。

「全員ゾロゾロ来るとは、お前達暇なのか?」
「君達に言われたらおしまいだよ。最近イミテーション共も遊び呆けてるっていうのに」
「重症だな。真面目に戦え」
「クラウド・・・・・自虐はやめろ」

素でセフィロスをどつきながら緑茶をすすっている。

「王様ゲームならば好き勝手言ってもいいのだろう?」
「皇帝、お前いつも王様だから王様飽きただろ? 参加しなくてもいいんじゃないか?」
「ウボァー」

バッツの毒のある一言に皇帝撃沈。実はバッツ、皇帝が嫌いらしい。

「そうですね・・・・・今日は何でもOKにします」
「マジでか」
「死人くらいは私達が蘇生しますわ」
「くらい!? 絶対くらいじゃないよ!?」
「神を侮るな」
「じゃあじゃあ世界の破壊でもっ!?☆」
「自分で直してね」
「ティナ!? 面倒だからって無理言わないで!」
「エッチなことでもか」
「海帰れ魚介類」

コスモスが口を開いたのに、場がカオスです。
要するにルールは何でもあり。

「ケフカや変態が王様になったら声帯潰そうぜ」
「OK」

今秩序のメンバーの心は同じ。ちょっと言ってるとこが正義らしくないが仕方ない。
世界と自分の身の安全のためだ。

「準備出来たぞ」
「ご苦労様。誉めて差し上げますわ」

暇な鎧組が割りばしでクジを作っていたようだ。はっきり言おう、似合わない。

「一応人権はあるから拒否はあり」
「人権が一応!?」
「だけどそれを力ずくで聞かすのはあり」
「殺し合い決定かな」
「抵抗出来るのは命令された人のみ。残りは王様を応援」

これは負けられない。秩序組の心は珍しく一丸となろうとしていた。
そして始まりの合図はジェクトのこの一言だった。

「なぁ、帰っていいか?」




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