えふえふ | ナノ



諦めないのと迷惑は同じ

※カオス


昨日は平和。
その前も平和。
だから今日も平和になるはずだ。
・・・・・・ なんてワケがあるはずない。
昨日の敵はなんとやら。いついかなるときに何が起きるか、心構えをしておかなければいけないものだ。さもなくば、彼のように痛い目を見るであろう。


「セフィロォォォォォォス!」

ドガンガキン、時折メキメキメリメリゴキッ。
今日もあり得ない効果音と、被害者の絶叫と怒声が響き渡る。
第二の被害者であるコスモスの戦士たちは、皆屋外で様子を眺めたり、はたまた気にすら止めなかったり。
言っておくが、彼ら彼女らは好きで外にいるのではない。
最大の被害者である屋敷が崩壊してしまったので、やむ終えずなのである。

「全く。あれほど屋敷で暴れるなと言たのにな」

ウォーリアの父のようなぼやきが聞こえるが、マイペースな面々は気にも止めない。
ティナとオニオンは、リフレガで助け合いつつ家事を手伝っているし、料理中のフリオニールの近くでは皇帝が地雷をばら蒔いている。どうやらセフィロスが近付いたら爆死させるつもりらしい。
スコールに至っては、武器の手入れをしつつ攻撃を受け流している。普通に凄い。

「いつまでやるんだろうな〜」
「そうだなー。他人事じゃないから手伝いたいけど、オレ柔いからなー」
「自分で言うのか」
「うわっ、ファイガ飛んできた!」
「ファファファ」

こちらは元気三人組。
エクスデスを先頭に、その後ろにバッツが隠れ、バッツの後ろにティーダが隠れ、ティーダの後ろにはジタンが隠れ。まるで童話の大きな蕪のような行列が出来ている。
因みに、エクスデスはバッツが捕獲してきた。


「そろそろ帰りた」
「エクスデス〜っ、オレ達を見捨てる気ッスか!」

捨てられた子犬よろしく、ティーダがエクスデスを見詰める。バッツも加わり可愛い、とは言い難く。むしろウザい、とエクスデスは思った。
それにBGMの『片翼の天使』が不快感を増長させている。


「今からが一番日光が照る時間なんだが」
「じゃあ日なた行くか」
「でも日なたが一番危険区域なんだよな」
「いんじゃね?エクスデスがなんとかしてくれるし」
「よっ、俺たちの先生!」
「かっこいいぜ!」
「誉めるのはいいが、手を離せ」

エクスデスの光合成については、今更誰もつっこむことはない。場所確保をしたいのか煽りたいのかはわからないが、三人は意地でも逃す気はない。
盾がいないといけないほどに危険なのだ、この喧嘩は。

「現金なやつらだ ・・・・・・ 」
「ジーターン。何してるんだい?」
「クジャ! いいところに」

駄々をこねていた三人の列に、新たな問題児がくっついた。この騒音と混沌の中に飛び込むとは怖いもの知らずというか、暇というか。ジタンの背中にひっつくと、腕を巻き付け居座る体勢をとる。
いつもはストラサークル5の餌食だが、今日のジタンは勝手が違った。

「今日はくっついててもいいから、リフレガ頼む!」
「本当かい!? その程度ならお安いご用さ」
「ありがとうクジャ ・・・・・・というかジタン! 」
「お前の犠牲は忘れないさ」
「その言い方やめろ。おい、リフレガ俺たちのところだけでいいからな」
「ごめんなさい神様仏様クジャ様」
「ジタン様がない、やり直し」
「君たちはいつも騒がしいねえ」

呆れながらも、リフレガと抱擁を強くする。愛しの弟が許してくれるなんてそうそうない。目を輝かせて、嬉しそうにしている。尻尾があれば振っていることだろう。
その隙にエクスデスは解放され、一人静かに日なたへと向かったことは誰も知らない。

「いやー、助かったッスね」
「俺ら、さっきまでティーダのヘイスガで走り回ってたもんな」
「さすがにキツかったなぁ ・・・・・・ 」
「でも止まったら死ぬからな」

三人が笑いながら、鮪に生まれ変わる時の予習を始めた。
三人の苦労は最もだが、惨劇の中心にいるクラウドが一番苦労してるに決まっているであろうに。
リユニオンするわ、超極武神破斬が発動されるわ、カオスと理不尽のごった煮状態である。
屋敷なんて欠片も残っていない。

「クラウド。遠くへ行き過ぎるなよ」
「なんだ、まだ続いておったのか」

それでもマイペースなリーダーは、口だけで気のすむまで止めはしない。保護者であるガーランドまでやってきては、スコールもツッコみの気力が失せる。ため息をつきながら、徐々に喧騒から距離をおき始めたら。
今、フリオニールの断末魔の叫びが聞こえた。きっと植えた野バラが殺られたのだろう。
同時に皇帝の「あ」という声と、爆音。きっとフリオニールが爆弾に殺られたのだろう。
それはさておき。

「いい加減にしろセフィロスっ!」
「まだまだ甘いな」

所々煤がついたクラウドとキザに笑うアフロ、もとい綺麗な長髪が芸術的なアフロとなったセフィロス。
二人がボロボロな理由は、主に皇帝の仕掛けた爆弾や、オニオンとティナにファイガとメルトンをブチかまされたせいである。

「・・・・・・お前本当に色々大丈夫か!?」

改めてその悲惨な姿をみて、、クラウドにまで心配される始末。御愁傷様である。

「クラウド、やっと素直に」
「大丈夫なら遠慮はしないぞ」

大丈夫とわかれば手加減なんていらない。本日何度目かわからないEXバーストが発動し、怒気が立ち上がる。

「フッ、素直になれないところ、まさにクーデレだ」
「意味がわからないことを言うな! くたばれぇぇ!!」

ついにキャラ崩壊が起きてしまった。
ここからは大変グロテスク光景なので、暗転します。小説ですが。

その頃。

「兄さん、クッキーできたよ」
「おぉすまんな」
「皆さんもどうぞ」
「すみませんね」
「ん、わりいな」
「ボクちん、ティナの所に行きたぁい!」
「これ以上問題を増やすのはやめろ」
「そうじゃ。小僧に刻まれて終わりじゃぞ」

平和な混沌陣営の風景を見ながら、お待ちください。文だけども。


♪チャチャチャチャーラーチャッチャチャー
「 ・・・・・・ 寝覚めが悪そうだな。」

▼クラウドLvUP!!Lv43→44

イカの切身 を手に入れた
銀髪アフロ を手に入れた
正宗の破片 を手に入れた

AP3 10PP


「よし帰るとしよう」
「あぁ。夜道と背後に気を付けろよ」

興奮するクラウドは、ウォーリアが宥めてゾウをもコロリなスプリルをかける。
ガーランドがよっこらしょと立ち上がり、セフィロスを担ぎ上げてクジャに近付いた。ガーランドが近付くにつれ、抱擁の力が強まりだす。トランスしていたら、全身の毛が逆立っていただろう。

「仕方ない奴だ。夕方には帰るようにな」
「親面しないでくれないかい」
「いやもういいから連れて帰ってくれ」
「そうッス。今からジタンと遊ぶんスから」
「ジタンはボクと甘い時を過ごすんだよ」
「一人チョコでも食って時間を過ごせば?」

むきになって騒ぎ出すクジャはさておき。皇帝にも早く変えるように、と促す。
大きい子供をもつと大変である。こちらもむきになってそっぽを向くが、料理を作っていたフリオニールが天然全開で振り返った。

「帰るのか。送るぞ」
「誰が貴様なんぞに」
「じゃあ気を付けて帰れよ。今日は助かった。ありがとう」

礼を言われて真っ赤になる姿は、まさにツンデレである。鼻を鳴らしながらも帰らないところを見ると、送る準備ができるのを待っているようだ。
素直になれないのも、なりすぎるのも困りものである。

「じゃあセシル迎えに行ってくるな」
「 ・・・・・・フン。また虫けらにやられぬよう、護衛してやる 」
「なんだそれ」
「かれこれもう一週間か。ティーダ、バッツ、ジタン。実力行使でも構わない。共に行ってきてくれ」

紅茶をすすりながらも物騒なことをさらっと言うウォーリア。フリオニールは笑顔で了承するが、同行命令をされた彼らから盛大ブーイングが起きた。

「何で俺達なんだよ!」
「兄ちゃんが絡んだらセシルは怖いんスよ!!」
「オレは行く」
「ジタンが行くならボクも」
(ついでに背中の疫病神向こうのお姉さん方に取ってもらお)
(そのまま捕獲して拘束して ・・・・・・ふふっ)

ジタンとクジャから、それぞれの思惑が渦巻き始めたが、誰も知るよしはない。

「でもフリオニール達が行ってからな」
「え? 皆で行った方が楽しいッスよ」
「バッカお前空気読め」
「だから皆にKYって言われるんだよ君」

+END

++++
セフィ→クラ脳内図整理のつもりがバカ中心になった

修正16.7.27

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