えふえふ | ナノ



*尻尾

「クージャ、トランスしてみ?」
「何で?」
「いいから早く!!」

今日もクジャはジタンの部屋にいた。約束をしているわけではない、勝手にクジャがやってきては、何をするわけでもなくただ一緒の空間にいるだけだ。
恋人同士にしても、あまりにも無欲。しかし恥ずかしがって接触を嫌うジタンを相手にするには仕方のないことなのである。
そのジタンが、突然声をかけてきた。一体なんだろう、嬉しく高揚する気持ちを抑えながら、リクエストに応じてトランスをしてみる。
トランスをすれば、獣に近い姿となり必然的に尾が現れる。一体なにが目的なのだろうか。首を傾げるが、ジタンは笑顔を浮かべるだけだ。

「何するんだい?」
「ハイ、ちょっと背中向けてー」

可愛い弟には逆らえない。前まで仲が悪かったこともあったのに、嘘のような光景である。
素直に従い背を向けたが、嫌な予感がした。

「じっとしてろよ〜」

何をするかと、というのは愚問である。
尻尾を出してほしい、と言われた時から予測はするべきであった。いきなり尻尾をわしづかみにされて、背筋に悪寒が走る。普段慣れていないことをされるのは、予想以上に気持ちの悪いことだと実感した。

「うひゃあ! どこ触ってるのさ!」
「どこって、尻尾?」
「じゃなくて、くすぐったいからっ、痛っ、そこは痛い!」

逃げようと動き回る尻尾を撫でながら、手が下へと降りていく。根本を撫で上げられ、体が跳ねてしまう。
イヤらしい手つきに情事を思い出してしまい、ついつい体が疼いてしまう。
これもそれも、全てジタンのせいだ。

「ぁっそこは・・・っ」
「ははっ感じるんだな」

臀部をなで回され、甘い声まで上がってしまう。今更だが声を聞かれることが恥ずかしくてたまらない。縮こまって耐えようとはするが、顔を赤くなるのは止められない。心底楽しそうなジタンが憎らしいが、昔ほどではない。むしろ悪戯好きなところも愛おしくてたまらない。
熱に浮かされた頭が、段々ボーッとしてきた。息が荒くなり、つい甘えた目でジタンを見てしまった。
それが合図になり、ジタンも荒い息をつきながらトランスをした。赤い目が、また綺麗で熱い吐息を吐き出した。

「ヤベ・・・我慢の限界・・・」
「え、ジタン、落ち着いて。今まだ昼だから」
「お前色っぽ過ぎ・・・」

そのまま後ろから体重をかけられ、簡単に押し倒されてしまう。目の前には浴場した獣の目と、優しい微笑み。
求められるのは悪い気がしない。普段素っ気ないのに、こういう時だけ積極的になることに興奮している自分がいるのも事実。
断る理由なんてない。首に腕を回すと、小さく逞しい体を抱き寄せ口づけた。

+EMD

++++
ジタンの尻尾は猫科のもので、猫は尻尾の根元が性感帯と友に聞いて

修正16.8.1

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