*お昼にぇ
※にゃー
※続いてる
動物は、成長が早い生き物だ。
あれから子猫・マキナもスクスクと育ち、今やジャックとナインと同じ大きさとなっていた。
毛並みも綺麗になり、皆が足を止めるほど立派で端正な顔だちとなっていた。
「また……潜り込んでる。」
いつも、目が覚めたらこうである。裏庭でも、教室でも、部屋でも。いつもマキナは傍にいる。
時には膝枕、時にはもたれかかって、時には膝に座り、目が覚めたら顔のドアップ、なんてこともあった。
温かいところを求めてさ迷っているうち、ここが温かいと覚えてしまったのだろう。冬になれば部屋に住み着かれそうである。
「マキナ。朝だよマキナ。」
ちゃっかり布団を奪いベッドに潜りこむネコの頬を叩く。温かいため、起きる気は更々ないらしい。布団だけが規則的に上下する。
しょうがない。これは後々が怖いのだが、布団を取られた腹いせもある。
顔にお面をつけ、三角の耳に息を吹き込んだ。
「うっに゛ゃあっっ」
尾を踏まれた時のような悲鳴と、爪による一線。顔はお面により守られたが、耳がやられてしまった。盲点だった。
「エースっお前…っっ」
「おはよう。よく寝てたな、人の布団で。」
イヤミを込めてはみるが、怒り心頭な彼は聞いちゃあいない。
「耳は弱いから止めろって言ってるだろ!?」
「僕も寒さには弱いって言ってるだろ。」
「それとこれとは話が別だッ!」
また爪が伸びた、と思ったが顔面への一撃はこなかった。ぐう、と可愛い腹の虫と恨めしそうな視線。
「お腹すいた。」
「じゃあご飯だな。」
「朝食の出来によっては、許してやる…」
今まで、許してもらえなかったことは、ない。
++++
仲直り
猫は待遇いいところに住み着くものさ
12.3.31
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