*天然兄妹
※イザナ生還ルート
オレの兄さんは、極度のシスコンだ。
昔レムにそう言われたのを覚えつている。でも、オレはそうは思わない。いつもよくしてくれるし、別にブラコンというレベルには遠く及ばないと思う。
それを言ったら0組の空気が凍ったのをよく覚えている。
「マキナって天然だよね。」
「そうか?」
いつものように二人きり。朱雀の像の前。
周囲の目を集めるのは0組だし当然のこと。
「いや違う。少し常識外れか。」
「そう…なのか?」
「君のお兄さん、イザナのことを思い返してみなよ。」
思い返せ、と言われても特に天然、やら常識はずれと言われる筋合いはない。
「オレ、何かおかしいか?」
「おかしいさ。今だって。」
今、そう言われて周囲を見るがおかしいことなんて何もない。
「…何だ?」
「皆の視線を集めてるだろ。」
「オレたちが0組だからだろ?」
「だから、天然なんだ。」
マキナは相変わらず首を傾げるばかり。
うーん、と唸っていたかと思いきやいきなり手を叩いて微笑んだ。
「皆、エースを見とれてるのか。」
「観察力テストも0だぞ。」
「違うのかよ!」
他の答えを導き出そうと必死で唸る彼女を見て、またクスクスと笑う。
「天然なマキナも、可愛いよ。」
「褒められてる気がしない。」
「そんなことないよ…おっと、君のお兄さんの登場か。」
シスコンなお兄さん、ね。という呟きは心の中だ。一足遅く耳をすますマキナを抱きしめ、視界を遮ると近付いてきた声が近くなり、遠くなり、消えてしまった。
「なっ、何するんだよ!」
「やっぱり似た者兄妹、だね。」
思い込んだら一直線。
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8888hitネタの失敗作
12.2.27
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