赤ずきん
むかしむかし、あるところに二人暮らしをした可愛い兄弟がいました。
「じゃあ兄さん行ってくるよ。」
兄弟は大変仲良く二人暮らしをしており、離れに住んでいる少女のことを大変気にかけておりました。
「あぁ行ってこい。ただ、魔神には気をつけろよ。…念のため、兄さんのマントを被ってけ。」
「ありがとう!」
こうして、兄の赤いロープを被った弟、もとい赤ずきんはレムに薬を届けに出かけたのです。
さて、途中花畑を通りかかった赤ずきんですが、あまりの美しさに足を止めてしまいました。
「レムが喜ぶかも…」
幼なじみが喜ぶ姿を想像して、赤ずきんはせっせと花を摘み始めました。夢中になりすぎて、近づいてきた影にも気付くこともできません。
「君。一人は危ないよ。」
振り返ると、朱いスカーフをした魔神が立っています。赤ずきんは噂の魔神の姿を見てびっくりしましたが、魔神の態度にもびっくりしました。
噂に聞いていた魔神とかけ離れていたからです。
「花を摘みたくて…」
「自分用に?」
「違う!知り合いの子に!」
「…もしかして、森に住む彼女にかな?」
「知ってるのか?」
「僕も手伝うよ。レムにはお世話になってるから。」
紳士的だし、凶悪な破壊神にも見えません。魔神は本当は優しい人なのかもしれない、そう思った赤ずきんは魔神のことが好きになってしまいました。
完成した花束は、それはもう立派で美しいものでした。これならきっと少女も喜んでくれるでしょう。
「ジッと見てどうしたんだ?僕の顔、なんかついてる?」
「いや……なんでもない。」
「そっか。じゃあ気をつけて。足元を見ていないと転んでしまうよ。」
満足した赤ずきんは魔神にわかれを告げ、早足で少女の元へと向かいました。
次に見つけたのが、赤い果実です。綺麗に熟れた果実はとても美味しそうで、赤ずきんは是非彼女にも食べさせたいと思いました。しかし、木が高くてとても届きそうじゃありません。赤ずきんは困ってしまいました。
そこへ一人の狩人が現れ、見慣れない機械を使って赤い果実を取ってくれました。
「これでいいのか?」
「ありがとう。」
「小娘。どこへ行くつもりだ。」
「小娘じゃない。男だ。」
「…この辺は朱の魔神がいる。送ってやろう。」
狩人は赤ずきんに一目惚れしていたのです。狩人の案内もあり、赤ずきんは無事少女の元にたどり着きました。
「レム!」
名前を呼んでも、返事はありせん。家は不気味なほどシンと静まり返っていました。
と、ベッドの傍で動くものがあります。狩人は赤ずきんを守るように、立ちふさがりました。
「お前は魔神!」
「お前はっ……!」
先手必勝、それはまさにこのことでしょう。狩人の攻撃は、魔神よりも早く当たり倒してしまいました。小さな悲鳴を上げたのは赤ずきんです。
「エース!」
「マキナ…は大丈夫?」
「大丈夫だよ!それよりエースが…っ!!」
魔神のお腹からは、彼のマントのように朱い血が流れ続けます。赤ずきんの涙も止まりません。
と、そこへ出掛けていた少女が帰ってきてびっくりしました。困った狩人は少女に今までの出来事を説明しました。それを聞いて少女も困ってしまいましたが、いい方法を思いつきました。
「このポーションをエースに。」
少女のポーションは、どんな病気にも効くという噂がある優れものなのです。
急いで魔神に飲ませようとしました。しかし気を失っているためにじぶんから飲んでくれません。赤ずきんは決意しました。魔神を助けるためにポーションを口移しで飲ませたのです。
赤ずきんの想いが届き、無事魔神は目を覚ましました。
「マキナ、ありがとう。」
「…あぁ、」
「僕もマキナが好きだったよ。」
こうして赤ずきんと魔神は結ばれ、二人で幸せに暮らしましたとさ。
+めでたしめでたし?
++++
魔神が森にいるとかやだなぁ……
虎が生きていけないじゃないか…
忘れてましたがネタ、ありがとうございます(^-^;A
12.2.7
●めでたくない方向け
マキ「どうしてそんなに鼻から血が流れてるの?」
エー「それはマキナがあまりにも可愛いからだよ…」
マキ「どうしてそんなに鼻息が荒いの?」
エー「それはマキナがあまりにも色っぽいからだよ…」
マキ「どうしてそんなに気持ち悪いの?」
エー「それはマキナが…あぁもう我慢出来ない!」
マキ「狩人さんこっちです!」
カト「死ね魔神!!!!」
エー「グフッ!」
レム「このリンゴ美味しいー。」
[ 658/792 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]