えふえふ | ナノ



*相合い傘

「二人共、何か言い残したことは?」

「だってコイツが。」

互いにを指差した二人はボロボロ。クラサメは小さくため息をついた。




「お前のせいだ。」

「何よ!アンタが悪いんでしょーが!人のせいにすんな!!」

「つっかかってきたのはケイトからだろ!」

放課後になっているのに、何故このような目に合うのだろうか。隊長にどやされ居残りを命じられたのは、喧嘩の所為で発生した後片付け。マキナもケイトも、溜め息混じりでやっていたかと思えば喧嘩、馬鹿らしくなり休戦するも、思い出したように喧嘩、を繰り返しているのだ。

「…つーか、何で喧嘩してたんだっけ……」

喧嘩なんていつものことだから、覚えてないのは当たり前。だが今日は重大なことで喧嘩したような…

「相合い傘。」

「…あぁ……」

そういえば。教室にジャックかシンクの悪戯で、相合い傘があったのだ。見つけたケイトがまず激怒、便乗してマキナも怒り…今に至る。

「…またくだらないことで暴れたなぁ…」

「くだらないって何よ!」

「あんな子供みたいなことで腹をたてる必要もなかったってことだよ。」

「アンタも怒られたクセに!」

またつかみ合いそうになり、やめた。

「馬鹿らしい……」

「本当に。疲れるだけじゃない。」

溜め息を漏らし、また汚れを拭き始める。
騒いで、静まり、また騒ぎ。
いつもの日常、いつもの関係。

(…ま、)

(俺たちにはこんな関係がお似合いだよな)
背中合わせで、教室という名の傘の下。二人きりの放課後。

++++
意識してるからこそ、ムキになって否定する
どうでもいいことに熱くならないも

12.2.1

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