*背中合わせ
ペンの音しか聞こえない教室に、男女の陰。一人は熱心に机に向かっているが、もう一人はブラブラと足を宙に揺らしている。
「エースってさ、年齢としては弟なのに、大人びてるよね。」
ケイトはペン握る彼を見る。
抜けているところもある、童顔である。
だが彼は何か強いものを持っているというか、皆を引っ張るカリスマ性があるというか。
「褒められてるのか、ないのか…多分褒められてるでいいよな?」
「褒めてるって失礼な。」
見れば見るほど不思議だ。
キングやナインに比べれば断然細い、細過ぎる。しかし、敵を率先して倒す姿も、皆をまとめる姿も、心に重いものを背負う姿も。なにもかも力強く、頼りにしてしまう。
「ね、エース。」
「ん?」
―私の命分、背中は空いていますか?
「よし、出来た。」
器用に紙を扱う姿が様になるのは、普段カードを扱っているからか。差し出された報告書の見本は、自分のミスについて十分すぎるフォローがしていた。
「いつでも、助けてやるからな。」
エースの顔は、逆光で見えなかった。
++++
ネタ(?)いただきましたエーケイ
エースって、腰蹴ったら折れる族に見えるんだがねぇ…
12.1.31
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