よんアザ | ナノ



好奇心


※ネタ募集品

※際どい表現注意
※アレだったら裏にまわします


静かにページをめくる音と呼吸が小さく聞こえる。いつもの喧騒が嘘幻かのような事務所の風景と、心地の良い静寂がそこにあった。
今この事務所は夢の世界にいるベルゼブブと芥辺の二人きり。佐隈はアザゼルはなんだかんだでもいいコンビの二人である、最近二人で行動することも増えた。必然的にベルゼブブの仕事が減るわけであるが、その代わりに芥辺に喚び出されることが増えてきた。簡単な雑用や暴露の力を使うためや、今のように何もないが待機を命じられたりもあった。

「ベルゼブブ。」

ベルゼブブ、続けて名前を呼ぶが返事はない。ただ気持ちよさそうに眠る彼の胸が上下するのが見えるだけ。
本を読み終えたのか興味が移ったのか、芥辺はぬいぐるみのフォルムをした悪魔を抱き上げ…不自然に高く持ち上げた。
重力に逆らわず下へとかかる体重。体にかかる負担と謎の視線で、やっとペンギンは目を覚ました。

「…芥辺氏、何をなさっているのです?」

「…ついてない。」

「は?」

こんな短文では誰でも何を言われたたかなんてわかるわけはない。悪魔でも同じである。が、下から感じる視線を辿ってみると…

「ギィィィィィィ!!どこを見ているんだ!」

「足…とその周辺。」

「セクハラだ!訴えさせてもらうッッ!」

べつに佐隈になら見上げられても気にしない。だがこれほど明確に、悪意をこめての視線など受け入れられるわけがない。

「お前、女か?」

「そんなわけがないでしょうッッ!速やかに降ろして頂きたい!!」

「じゃあ"ココ"はどうなってるんだ?」

悪意のない子が答えにくい事を親に訪ねているようなオーラには抗うことが出来なかった。
視界が降りたことに息を吐いたと同時、股座を鷲掴みにされ思いやりもなにもない力でもみ込まれる。声は全て奇妙な悲鳴となり彼らの耳へと届いた。

「…なんだ?感じてるのか?」

「う、うるさいッッ」

「なくても感じるものは感じる、か。」

まるで人体実験でもしている物言いに気持ち悪さを覚えた。

(テメエの虐待は我慢するしかねえが、好きでやられてるんじゃねえ!ましてや玩具になってやる気は更々ねえよ!離せ変態!クソヤロウ!)

じたばたともがき、あわよくば事故と見せかけ顔面を蹴飛ばしてやろうとしたが、急に下から電流が走った感覚に陥った。

「ヒ…ッッぐぅ…」

「ふぅん?ここか?」

指圧で残酷とも言えるマッサージを下肢に与えられれば、時折痛みとも快感にも似た電流が走る。されるがままではいけないと思いつつ、この体格差ではどうすることも出来ない。
初めてであるベルゼブブにとっては未知の体験。始めこそ違和感と嫌悪感しかなかったものの、生まれていた正反対の感覚を認めざるを得なくなってきていた。彼にとって最も屈辱的で、認めたくないものを。

「ぁ…っう…、」

「口は強情だがやはり体は素直なもんだ。悪魔は特に欲に忠実というが…」

「私はアザゼル君のような色欲魔ではないッッ」

「それは職能が違うだけだ。種で繁栄する生き物なんざ、一度流されれば皆同じだ。」

このようにな、と広げた手は濡れておりベルゼブブは顔を赤らめ現実から目を逸らした。それこそ欲に忠実だった証拠であり自身の失態であり。恥辱に震えるベルゼブブの反応が気に入ったのか芥辺は至極楽しそうに喉を鳴らした。

「かの有名なベルゼブブ家のお坊ちゃんが、初々しい反応だなぁ?」

「よ、弱いものほど死を焦り種の繁栄に励むものなのですっ!」

「この非生産的な行為で先走りさせやがった奴が何を。認めろよ、」

淫乱な、優一坊ちゃん?
屈辱的な言葉攻めにも疼いてしまった体が恨めしい。屈辱と度を越した快感に溢れる涙も抑えられない。プライドのためにも激しく歯軋りしながらも耐えてはいたが、もうダメのようだ。

「ア…クタベ氏、もう……っ」

「顔にかけたら殺す。」

「ムチャを…言う、ぁっ」

もうこの放尿感は我慢出来ない。ならせめてみっともない声だけは、となけなしの力で口を覆うのを見計らい、更なる強い刺激が襲いかかった。

「我慢出来るならしてみろよ。」

「んーッッ!」

もう限界だ、彼に痴態を見られる、と諦めようとした瞬間に扉の奥から段々大きくなる音が聞こえ始め我に返った。

「アザゼルさんが帰ってきたったぁぁぁぁぁ!?」

雑音という名の絶叫と共に壊れんばかりの勢いで再び閉じられた扉。ばっちり目が合ってしまったということはこの状況までばっちり見られてしまったということ同じ。先程まで赤かった顔が青へと変わるのに時間などいらない。

「み…っ見られた!」

「あぁ見られた。」

焦る被害者とうって変わって冷静な加害者。

「これでアイツが発情すると面倒だな。」

「そ、そういう問題ではないッ」

面倒というわりに機嫌がいい、ということは。

(確信犯っ)

「どうする?このまま処理してやろうか?」

「お、お断りしますっ!」

寸止めを食らったが今は外の二人にも聞こえてしまう。ナニをしているのかを知られたのは諦める、がこれ以上を許す覚えはないのだ。

(このまま食っちまうつもりだったが…まあいい)

これこそまさに、知らぬが仏。

+END

++++
「ペンギンの姿でヤるorヤられそう」というネタをいただいたので…萌のままに両方実行します(・ω・)

なんかイメージと違うかもしれませんがご容赦を…
素敵なネタをありがとうございます!(^p^)
11.8.9
修正:11.10.15

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