*ぶつけようのない気持ち
※♂さくちゃん、♀べーやん
(さくま、さん)
契約者であり、自分が愛する人の名は心の中だけで響く。
(悪魔と人間では、ダメなのでしょうか)
自分は悪魔、相手は人間。交わってはならない二人であるが故、苦しい思いをしてきた。そしてこれからもしなくてはならない。
(私は気にしないのに、名門であるベルゼブブの名すらも)
一族の恥
悪魔の出来損ない
…そう蔑まれてもいいとさえ思ってしまう。彼と一緒にいられるのなら。
(愛など、信じなかったのに)
今まで、いくら"彼"より優れた男たちに言い寄られようが、人間に絶望し凍りついた感情は溶けなかった。時には一国の王、時には美形だと名高い闘士、時には穏やかな心を持つ青年にでも。
だが今は、燃えるように心が熱い。氷など遠に溶けてしまった。
(さくま、さん)
この不可解で心地の良く、吐き気のする感情を教えてくれたのは、貴方だけ。
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只今の時刻、5:55
11.9.5
修正:11.10.14
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