*言うものか
※6巻、もっさんの回
「いったたたたぁ…」
「自業自得ですよ。なんであそこで余計なことをしますか。」
佐隈に、グリモアで思い切り頭を殴られた。しかも、今回はいつもとはケタが違う…まさか佐隈にマントルにまでたたき落とされて蒸発させられるなど誰が想像するだろうか、いや芥辺すら出来まい。
「まぁ結果もっさんは無事なのでいいですけどね。」
「あのなぁ…ワシに対する労いの言葉はないんかい…」
「………まぁよくやってくれましたよ。」
ついで、といわんばかりの適当な物言いにうんざりする。
(誰の為やと思っとるねん)
勿論自分のためもある。
芥辺闇討ち作戦バレてしまっては三匹とも無事では済むまい。芥辺は佐隈ほど優しくはない、いや人間の優しさを彼に求めてはいけないレベルなのだから。
ボケや冗談で逃げ道を作るのはいつも自分。そうすれば被害を食うのは自分だけだ、"彼"にまで被害が及ぶことはない。今までも、きっとこれからもそうなるはずだ。
(…誰が言ってやるか、こんなこと)
悪魔に馴れ合いなど不要。
友人であれども、所詮今は職場の同報であり自らに害がないためつるんでいるだけにすぎない。
しかしこの感情はそんな一時的な馴れ合いを、一生になるようにと望んでしまう。行きますよ、と少し振り返ってくれた彼の背をぶっきらぼうな返事と共に追いかけた。
++++
あの時のあっちゃんの高速再生には感動した
しかも這い上がってくるのが早すぎる、すっげぇ…
11.7.13
修正:11.10.14
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