ゆぎお | ナノ



崩れる覚悟


いつか、こんな日が来るとは思っていた。
覚悟はしていた、でもまだ足りなかったのだと言われたら言い返す言葉もない。
まだしばらくは、いやずっと一緒だと心のどこかで念じていたのだろう。思い込むことで自分を支えないと壊れてしまう、そんな不安定な自分を隠すために。

「もう一人の僕...」

胸には已然と千年パズルが輝いている。しかしもうここには主がいない。声をかけたら、いつも返事をしてくれた君はいない。

「どうして?」

どうしてなの?
誰に問いかけるわけでもない言葉が、涙と共に溢れ出す。
永遠なんてあるわけない。ましてや、出会うことすら奇跡だった。全てが元に戻るだけだ、そう言い聞かせて心の慰めるが涙は止まらない。

「もう一人の、僕...!」

欠けたウジャド眼のピースは、遊戯流れ落ちた涙と心そのものだった。

++++
【表闇語り】相手が突然行方不明になってしまったときについて語りましょう。

シリアス
※城之内君は無罪です

15.6.24



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