ゆぎお | ナノ



初めての○○・始まり編


アストラルが、人間として地球にやってきたのはつい最近のことだ。
嘗ての仲間たちは驚愕しながらも、アストラルを受け入れて喜んでくれた。勿論一番喜んだのは遊馬だ。皆の前でも涙を流しながら、抱きついてくれた。だがそこに違和感一つ。

「アストラル…お前……胸…?」

アストラルは、女性となっていた。


アストラルは種族は違えど"男性"に近かった。故に女性については何の知識もない。
風呂上がりに上半身が裸の状態で部屋まで戻ろうとして、慌てた明里に止められもした。ブラジャーを付けずに外に出た時にわか雨に襲われ、遊馬が上を脱ぎ笑い者になったこともある。スカートが捲れるのも気にせず激しく動き回り、小鳥が慌てて隠しにいったこともある。
恥もなく、気も強い。天然で常識が少し抜けたアストラルに遊馬も頭を痛めたが、アストラルの顔を見ていたら文句も言えない。

「遊馬は、女らしい"女性"の方がいいだろう。」

アストラルが必死に地球に溶け込もうと努力しているのは知っていた。小鳥やキャッシー、クラスの女子生徒の行動見ながら真似ている姿を見ていた。テレビも、トーク番組やファッション、今の流行りのものを見るようになり、必然的に大好きなエスパーロビンから離れていった。
涙を浮かべながら遊馬の様子を伺うアストラルに、ただ抱きしめるしか出来なかった。

体の変化に一番戸惑っているのは、アストラルだ。失った記憶を取り戻したと思いきや、続けて体や周りの環境の変化。どんなに気丈に振る舞っていても、気が揉まれてすり減るのは目に見えている。
少しずつ、少しずつ慣らしてあげればいい。遊馬はアストラルの傍から片時も離れないよう心がけた。

14.12.15



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