熱伝導
※現パロ仕様で『アストラル=アスト』『96=ミズト』という名前になっています
ミズトが風邪を引いた。
バカは風邪をひかないというのは、どうやら嘘のようである。
部屋の前を通るだけで、苦しそうな咳が聞こえてきた。登校しようとしていた足が止まってしまった。友人の話も聞いたことはないし、ミズト具合の悪い時にワイワイ騒がれるのは嫌いなタイプ。
やることは一つだ。アストは携帯を開くと、両手を使い友人へと短い文で連絡を取る。
『ミズトが風邪をひいた。今日は休む。』
と。
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「ミズト。調子はどうだ。」
「ゴホッ、見ての通り絶不調…って。何やってんだよ。」
朝から体調が悪いと思っていたら、熱があった。
元々学校は好きではないし、動く気力もないミズトは、早々に休むことを決めて眠っていた。既にアストは登校したと思っていたのだが、まだいたとは。そしてまさか服を脱ぎ始めるとは。
「暖めてやる。」
裸になり、布団に入ってくるアストに目を疑った。アストはこんなことをするキャラではない。ましてや、性に関しては積極的ではなくプラトニックだ。
男同士とは言え、貞操の危機は感じる。乙女のように布団を引き寄せ丸くなると少し寂しそうに見えた。
「嫌か。」
綺麗な白い肌、白い髪に色素の薄い目。美しいアルビノの裸体がそこにある。
女に見紛うような細い体に、線の細さには思わず性的な目で見てしまう。寒そうに肩を抱き股間を隠す姿に、生娘を想像させられてこちらまで恥ずかしくなってきた。
「…お前まで、風邪を引くだろ。」
「抱き合うと暖かくなると聞いた。」
「裸はねーよ。」
観念して寝転び布団を開けてやれば、遠慮がちに手を引いた。ここまでして、何を今更躊躇うことがあるのか。腕を引き布団に連れ込めば、「あっ」妙な色気を含んだ声に、芯から体が熱くなる。思わず咽せてしまえば、心配そうな声がかかる。
「苦しいのか?別の薬を持ってこよう。」
せっかく引き入れたのに、再び飛び出そうとするアストの腕を、ミズトの手が掴む。布団から不機嫌な目が覗き、未だ続く咳き込みを無理矢理抑え込んだ。
「お前がいい。」
「しかし…」
「俺がいいって言ってんだ。それよりも寒くねーのか。」
「ミズトの体が暖かい、大丈夫だ。」
細い体を包み込んでやれば、大人しく腕の中に収まった。すべすべした裸に、体が熱くなり下半身だけが元気になる。
変化にアストも気がつき、苦笑しながらも素直に抱き返してくる。このまま襲おうと手を腹に這わせたところで、軽い目眩が起きアストに支えられてしまった。
「今日は大人しくしていろ。治ったらいつでも出来る。」
「お前…大胆になったよな……」
「お前のせいだな。」
「おかげと言え、おかげと。」
更に密着する体。微睡む意識。アストとミズトは見つめ合い、どちらともなく微笑みあった。
明日斗『ミズトが風邪をひいた。今日は休む。』既読
遊馬「看病か?わかった、放課後俺も行くぜ!」既読
明日斗『何をしてやればいい?』既読
遊馬「そうだなー、薬とか看病とか。」既読
遊馬「あ、人肌で温めてやればいいんじゃないか?w」既読
明日斗『人肌?』既読
遊馬「裸で抱きしめるとか」既読
明日斗『わかった。』既読
遊馬「アスト、冗談だからな?」
遊馬「それやったら、次お前の体調と貞操がまずいからな?」
「やべえ、既読がつかねえ…」
遊馬はアストには冗談が通じないことを思い出して、冷や汗を流しつつアストの家へ全力疾走していた。
+END
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遊馬とアストラルは友人で考えると、ちょっと難しいような…
公式が腐を推しているような匂いが強烈すぎます
14.11.25
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