*残酷な運命
「やっめろ!」
拘束され吊された腕、力の入らない体に複数の、誰ともわからない男たちの手が体を這い回る。まだ衣服は剥がれていないが時間の問題だろう。明らかに服を破る事が目的なのは、時折立てられる爪でわかる。
多分、今まで無碍に扱ってきた兵士たちだろう。怒気すら孕む無骨な手が、上着を破り捨てた。
「なんのつもりだ!こ、殺してや―――」
「これはお仕置き命令ですよ、『命令』。最近失敗続きの貴方に対するね。」
目の前には、見知った顔。別に相棒というものではないが、行動を共にすることを強いられていたファーガスだ。
「ふふ、いい。実にいい眺めだ。」
一人の兵士の指が、性的な意図を含み体のラインをなぞり腰まで降りてくる。中途半端に破れた服を乱暴に開けば晒される白い上半身。男であれども、危機感を覚えずにはいられない。
「やめろって言ってるだろ!!あとでどうなるかわかってるのか!?」
「それは貴方のことです。これは命令、失敗続きの貴方に定められた運命なのです。これに背くという意味は、おわかりですな?」
静かになるコノンに、ファーガスは冷笑を浮かべる。勿論この協会では、神の運命に背くことが罪。この事例も一つの道の通過点に過ぎないのだから。
「生意気な貴方を屈伏させることが出来る日がこようとは。君たち。好きにヤってしまいなさい。」
「離せ、離せよッッ!!」
伸びきった腕が解放されたと思えば、動物のような体制をとらされる。所謂四つん這いだ。腰を掴まれ、高く上げられたと思えば腰に当たるのは、熱く脈打つモノ。
「やっぱり男じゃ起ちませんよ…。」
「ふむ。でもこの小僧には『痛み』より、こっちのほうが効果的だと聞いたのですがね。」
「性格に難はあっても、可愛い顔はしてますし。俺はいけますよ。」
「元々男を抱く趣味はありませんが…貴方はなかなか可愛らしい顔をしているのが救いですか。」
若い兵士がコノンに覆い被さり、牛の乳を搾るように乳首を摘まむ。指で女のようにこね回され、屈辱に頬を染める。
「やめっ…お前ら、覚えてろよ…っ」
「さて。この罰がいつ終わるかなんて、私にもわかりませんがね。」
サディスティックに笑うファーガスに、顔が青ざめるのがわかる。
きっと、一回や二回では終わらないだろう。いつまで続くかわからぬ拷問に近い地獄にコノンは強く目をつむった。
++++
裏までがっつり書くつもりでしたが、モチベーションがどこかへ行ってしまいました…お粗末様です。
15.1.11
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