*手が届かないなら
※後天的にょた
※下世話な話をしてます
「フリックって、おっぱい大きいよね。」
「嬉しくないからな。」
「またまたー。」
今日もナムダは部屋までおしかけニコニコとからかってくる。先日、怪しい行商人から買ったという変な薬を飲まされて女の体になってしまったフリック。その元凶は何を隠そう楽しそうに笑うナムダだ。
何を企んでいるのか、いや何も考えていないのだろう。ケラケラ笑い出すナムダを睨みつけるとフリックはため息をつき愛剣を置いてベッドに座り込んだ。。
「で。この薬の効力はいつまでだった?」
「一週間。」
「なんでオレに飲ませた。」
「前にも聞いたね、それ。」
「前は答えなかったからまた聞いているんだ。」
「そうだったかな。」
先ほどとうって変わって綺麗に笑うナムダに、フリックは拍子抜けである。奇行は今に始まったことじゃない、気にしないでおこう。そう思ってはいたが、椅子に反対に座りジロジロと舐めまわすように見つめられては落ち着かない。思わず胸をマントで隠すと、また笑い声。
「今はどうしてるの?自分?」
「何が。」
「オカズに決まってるだろう?」
下世話な話だが、男としては気になるところなのだろう。ましてや、今は自分の体が女なのである。好きに出来る絶好のチャンスとも言える。何を言いたいのかはわからないが、にやけるナムダにフリックはため息をついた。
「抜かねえよ。自分の体だぞ。」
「でもすごくスタイルがいいじゃないか。溜まってるんじゃないのかな?」
からかわれて、ムキになったのかもしれない。今思えば何故あんなことを言ったのかもわからない。しかし、この時はすんなり口にしていた。
「なら、お前がオレの身体で抜いてみるか?」
誘惑ではなく、挑発。半ば睨みつけてナムダを見つめるとしばし見開かれた目。そして弾けたように笑いだす。これにはかちんときた。まるであざ笑われているようで。
「まさかフリックがそんなことを言うなんてさ。清純そうな顔してるのに。」
「うるさい。で、どうなんだ。」
「ダメだよ。何かあってからじゃあ遅いよ。」
「なんだ。オレをどうにかしたいのか?」
挑発するように胸を誇示すると、困ったような笑顔。
「うん。」
縦に振られた首に驚いた。思わず身を引くと、椅子が倒れる音がした。近付く体、不気味な程にきれいな笑顔。ベッドの上まで逃げるが、更に迫ってくるナムダから威圧を感じた。
「フリックのこと、前からいいなって思ってた。」
壁まで追い詰められ、恐怖で力が抜けてしまう。影になり表情が読めないナムダの顔が怖い。だが手は優しく頭を撫で、アクションはない。
「だからダメ。酷いことをするかもしれないから。」
しかし口にする言葉に身震いする。思わず目を瞑り、身を縮こませれば「ごめんね」と短い謝罪。
「女性は無闇に男を誘ってはいけないよ。さ、この話はおしまい。」
少し、ほんの少しの間指がフリックの豊満な胸を滑った。気まずそうなナムダの顔を合図に、体と熱は離れていった。
++++
オカズ作り
14.6.9
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