いじわる王子




「意地悪。今吉君、顔は良いのに」

「褒め言葉やな」
学年が同じ、クラスが同じ、そして、部活が同じときた。
彼は、ココ、桐皇学園の主将、今吉翔一である。
女の子にモテるだの、怖いだのなんだのと私にからんでくる。
友人にはよくからかわれてしまう始末だ。本当、嫌になる。


「なぁ、付き合おうや。
 皆噂しとるで?」
なぁなぁと、部活そっちのけで私にくっついてくる。
諏佐君に頼ったが、駄目だった。


「ねぇ、早く部活にもどってくれない?
 皆に迷惑かけてるよ?」

「そう思うんやったら、わしと付き合おうや。な?」

「えぇー」
私はそんな会話をしながら仕事を着々とこなす。
そうでもしないと仕事が終わらないからだ。居残りは嫌だ。
怖いし。


「せやったら大会でぇへん」
おいおい、ワガママ言うなよ。
あんたが居ないと青峰どうするんだよ。
諏佐もこればかりはと、止めに入る。


「だって、彩花が付き合ってくれへんのやもん。
 だったら大会でぇへん」

「うっ、宮本……」
諏佐君はそう言って、私に助けを求める。
しかたない。諏佐君にはいつもお世話になっているから。


「今吉君、大会には出てもらわなきゃ困る。
 から、全国で一位になったら付き合ってあげる」
その一言で、今吉君は練習にはげんだ。
頑張れ、今吉君!




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