カッコいいんですよ




休日。今日は学校もないし、部活も無い。
なので、家でゆっくりしようと思った。が。

「きゃー!! フワッ! 兵長ぅぅっ!!」
誰なんだ、『兵長』って。
他に男でもできたのか? 社会人に恋でもしたのか。

「おい」

「!! 兵ちょ……って征かー。
 もう、驚かさないでよ」
こっちが驚かせないでくれ。
俺はハァとため息をついた。安心のため息だ。
なにせ、彩花がさっきから叫んでいる相手は『画面の中』なのだ。
その為、結ばれることは無い。そう、一切ないのだ。


「……彩花、その兵長って誰だ」
俺がそう言うと、え!?と、彩花は嬉しそうに言う。


「兵長の事知りたいの!?
 うんうん、教えてあげるよ征!」
彩花は嬉しそうに言うと、自分のカバンの中を探り始めた。
俺はソファに座って待つ。

「あった! これこれ、征、見てよ」
彩花は躊躇なく俺の膝の上に座る。
そして、手元にある本をパラりとめくる。
……なんだこいつは。


「えへへ、カッコいいでしょ?
 この人、リヴァイ兵長って言ってね。
 人類最強なんだよ? 凄くない?」

「俺はバスケでは強いが?」

「フフ、張り合わなくて良いんだってば。
 私の一番は征だし。ね?」
彼女の笑った顔を見た俺は、居ても立っても居られなかったので、
取りあえず抱きしめた。

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