小っちゃいねぇ




「健介ってさ、身長小っちゃいよね。」

「はぁ!? お前よりはデカいだろ」

「そうじゃなくってさー。
 ほら、紫原君と比べてみてさ」

「あいつら例外だろ」
福井は言った。



「でもさ、あんまり高身長も駄目だよね。
 私、平均よりちっさいし。
 健介の身長がちょうどいいんだよね。いやー、健介が居てくれて良かったわ」
心の底から思っている彩花。


「嫌味にしか聞こえねぇ」

「本当だってば。
 じゃあ、ちょっとギューッてしてよ」

「おぉ」
福井はそういうと、彩花の後ろからギュッと抱きしめた。


「ほら、健介だからこの安心感なんだよ。
 高すぎても駄目だし、また低すぎても駄目だし」

「そうか?」

「うんっ、氷室君にやってもらったとき、
 なんか安心感無かったもん」

「……は?」

「……あ」
彩花は冷や汗をかいた。


「……彩花」

「ヒィ!」

「行くぞ」

「うそーん」


(本当にすみませんでした、いや、マジですみませんでした)
(嫌だ)

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