「えぇー、何でー?
俺、練習頑張ったじゃーん」
「駄目なの! 監督にも言われたでしょ?
今日、学校内ではお菓子禁止!」
今日は、監督に言いつけられて紫原君のお菓子確保隊に任命されている。
この前までは氷室さんだったらしいが、ついつい甘やかしてしまうんだそうだ。
まぁ、分からなくもないけど……分かった
「お願いだよー。
ねぇ、彩ちーん」
「嫌だ、駄目!
紫原君が怒られるの見たくないし」
「あ、俺の事心配してくれてんの?」
「当たり前でしょ。
だから、お願い。今日だけ……ね?」
私は言うが、紫原君は「どうしようかなー」と言っている。
「んー。
あ、そうだ。じゃあ明日さ、彩ちんお菓子作ってきてよ。
まずいのは嫌だからね」
紫原は言った。
「え、う……」
「何? まさか作れないわけ?」
「そんなわけないじゃん!
美味しいの作ってあげるから!」
「うん、楽しみにしてるー」
紫原はそういうと、朝の練習にもどった。
(氷室さんに連絡しないと!)
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