思春期と言う奴です。
俺は最近、凄い重い悩みを抱えている。
それは、ある時は嬉しく、ある時は怒られるのだ。
最後の奴は、理不尽と言った方が良いであろう。
あ、噂をすれば来たな。あぁー、またあの人に怒られる。
「樹くーん! 元気?」
一個上の先輩。彩花先輩だ。
そう、俺の悩みと言うのはこの人の事だ。
今俺の状況は、抱き付かれている状況だ。グラウンドなので、先輩方の視線が痛い。
そして怖い。
「先輩、すみません。
今日は主将と会議がありまして」
「え? ご、ゴメンね。私なんて足手まといだよね」
うわぁ、泣かれる。絶対泣かれる。
あれだよ。絶対鳴さんあたりに怒られるよ。嫌だなぁ。
「足手まといなんかじゃありませんよ。
彩花先輩は、稲実の野球部には居なくてはならない存在なんですから」
「樹ー。もー、大好きっ」
その声と共に、俺の死亡フラグはたった。
あぁ、さようなら。