将来はきっとこのままだ

彼はいつだってそうだ。
野球に関しては何事にも手は抜かない。
そういえば、この前、試合は練習の延長だって言っていたな。
まぁ、私が言いたいのは、彼は真面目だって事。
でも、負けず嫌いっていうちょっと良い感じの彼。
だから、好きになってしまったんだよねー。

「彩花、帰らないの?」
着替え終わった彼、白河君は、私の隣で言う。
突然だったから、良い対応は出来なかった。

「あー。ところでさ、白河君」
私はそう言って、彼の方を見る。
彼はピクリとも動かない。あれ? 聞えなかったのかな。

「白河君?」
動かない。
チクショウ、無視してるんだな。

「しーらーかーわーくん」
そう言って、彼の顔の前に行くが、フイッとそっぽを向かれる。
……あ、まさか。


「か、勝之君?」

「まぁ、合格」
やっと口を開いたかと思ったら、この言葉だった。
なんだ、合格って。
彼女としてなにか怠っていたところがあったのか。


「今度は呼び捨てで」

「え、無理だよ!」

「俺はずっと呼び捨てなんだけど」

「が、頑張る」
私がそう言うと、隣に居る勝之君はあぁー、やっぱり、
と立ち止った。
私もとまる。

「勝っちゃんでも良い。
 あ、でも、夫婦みたいに……」

「ねぇ、白河君じゃダメなの?」

「彩花は将来、白河になるんだから、今のうちに直しておかないと。
 ……やっぱり勝之かな」
一人で世界に入って行く彼。いや、でも、今、告白された?
いや、プロポーズって言った方が良いのかな。スっごく今、胸がドキドキしてる。


「か、勝之!」
私は声を出す。
向こうの方で、成宮君の笑い声が聞こえる。
私の事で笑っているのであれば、許さない。

「うん、それが一番だ」
勝之は嬉しそうに言う。
あぁ、本当。胸が爆発しそうだ。

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