恋は二の次だから

「鳴ってさ、周りに騒がれるの好きだよね。
 ねーカルロス!」

「あぁ……まぁ、坊やだからな」

「最近、忙しいのはわかるけどさ。
 でも、彼女を置いて女の子にチヤホヤされてデレデレするのはどうかと思うよ!?」
もー、私カルロスと付き合うー。と、彩花は言った。


「やめろ、俺が鳴に怒られる。
 あいつ、面倒なんだよ。我儘だしよ」
カルロスは、はぁ。と、ため息をついて言った。


「え、鳴ってそんなにワガママ王子だっけ?」

「は? 今に始まったわけじゃないだろ。
 何言って……あぁ、そりゃ彩花だからワガママなとこ見せたくないんだろ」

「え?」

「だって、彼女の前だったらカッコいいとこ見せたいだろ?
 ほら、喧嘩してねーで行って来い。あいつ、最近調子悪いから」
カルロスはそういうと、腰を上げて立った。


「ありがと、カルロス」
彩花はそう言って成宮の元へ駆けた。



「はぁ、カッコ悪」
カルロスが言った。

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