捕手で主将な

「ちくしょう、やってられっかよ」
こんな言葉遣いですが、私は正真正銘女です。
そういうと、いつも成宮という奴にからかわれます。
これが最近……いや、高校生になってからの悩みです。


で、す、が。そう、ですが、
私には想い人が居るのです。ウフフフ……。
いつも成宮と居るから、よく会う。だから、成宮には感謝している。


「ん、あ? 宮本じゃん。
 なに? 雑用係?」
荷物の隙間から見える独特な髪の色。
成宮だ。すぐわかった。


「いーえ、先生に信用されているんです。
 成宮とは違って!」

「はぁ!? 俺は雅さんに信用されてるし!
 ねっ、雅さん!」
成宮の言葉にドキッとした。
え、マジか。マジのマジか! まさかそこに……。


「俺は信用してねーよ」
居た! 雅さんだ! 
ヤバイ、髪の毛おかしくないよね? 問題ないよね?


「ちぇ、雅さんなら言ってくれると思ったのに。
 俺エースなんだよ! 雅さん!」

「はいはい、そうだな」
うぉ……本当に雅さんだ。


「ふんっ! おい、宮本! ありがたく思え!
 俺がその半分の荷物持ってやる」

「いいよ……なんか、裏がありそうなんだもん」

「裏なんてねーよ!」
ほらほらと、成宮は私を急かす。
頼むから成宮、そこをどいてくれ。


「鳴、迷惑だ」
雅さん! やっぱり頼れる人です!


「……俺が持ってやるよ」
雅さんがこちらに近づいてきた!
ヤバイヤバイ、心臓が早い


「あ、ありがとうございます……」
顔が熱い。
それを察したのか、成宮はニヤリと笑った。
ちくしょう、御幸みたいな顔しやがって。


「宮本ー、今度練習見に来なよー。
 お前、吹奏楽部次期部長なんだろ? 雅さんと仲良くしとけば?
 野球部の事いろいろ知れるかもよ?」
成宮……顔はイライラするが、お前に今、めちゃくちゃ感謝しているよ。
今度、アイスおごってあげる。


「そうなのか? 宜しく頼むな」

「は、はい!」


きっと私の顔は真っ赤だな。


(成宮、ありがとう……)
(どーいたしまして)
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