ゲームしようぜ!!
「彩花! ダメだ、来るなっ!」
「え? どういう事?
これで、解放されるんじゃないの!?」
「あぁー!!」
「……彩花さん、ゲームオーバーです」
多田野が彩花の背中に、自分のグローブをあてた。
ァァ――!!と、成宮が言う。
「えぇー、今のどういう事?」
「今のはですね、バントだったんで一塁に投げたんですけど
セーフだったんで彩花さん走ったでしょう?」
「うん」
「けれども、『タッチアウト』の事忘れてませんか?」
「……あ」
彩花は思い出したようだ。
「ほらー!! バーカ!
彩花のせいでチェンジだよ!」
一点を追加した成宮は言った。
「ゴメン、皆ー」
「どんまい、宮本」
「ありがと、カルロー!
次、頑張るね!」
「だぁー!! カルロス、甘やかすな!」
「これだから子供は……」
ため息交じりで白河は言った。
「さ、これから挽回しようぜっ!
ね、雅さん!」
「何で高校卒業してもこいつの面倒見なきゃなんねーんだよ」
原田もため息交じりで言った。
ゲームはこれから。
(よーし、宮本彩花。いっきまーす!)
(ボールになんなよ!)
(頑張る!)