言葉一つで単純で

ドキドキしながら携帯を両手で持ち、目をつぶって祈る。数分経ってから、恋のメロディーが流れて慌ててメールボックスを開く。
いろいろな恋のサイトをあさってもどこもかしこもメールの返信は少し遅めの方がいいと書いてあるけれど、私にはそんなことは出来ずパパっと返信してしまう。

「あぁー、辛い」
野球で忙しいのは分かっているから、早めに切り上げてしまう。私の馬鹿。メールには、自主連頑張れの文字。これは恋人じゃなくて、友達としての言葉。彼はおう、ありがな、と返信を返した。そこでメールは終了。いつもと同じパターンだ。
まだ胸がドキドキとなっている。誰もいない部屋で彼の名前を口にしただけでもドキドキする。彼の姿、声、色々出したら変態になりそうだ。(変態じゃないけど!)
また明日も見れるところで自主連したいな、なんて思いながらベットにダイブし、足をジタバタさせる。そんな事してたら、携帯が動き出した。この音はメールなんかじゃない。電話だ。誰だろうと胸を弾ませ、期待したが、裏切られた。

「唯かー」
そう声を漏らせば、悪かったわねぇと言われた。から、わたしは懸命に謝った。ごめん! いつも相談のってもらってありがとうね!!

「そう言えば、今日はどうしたの?」
あんたの相談でしょうが、とイラついた声で言われ深く反省し、メールはしたよ? と報告した。そうしたら、告白は? と問われたので、ノーと答える。ため息が耳に伝わり、私も自然とため息が出た。

「どうしよう、唯ー。私、このままなのかな」
「行動あるのみでしょ? 春乃はあんたと川上が付き合ってるって思ってるっぽいよ? ほら、よくあんたと川上、部活違うのに喋ってるから」
春乃ちゃんが!? と言えば、そ、と答えられた。私はにやける顔を抑えて、それ本当? と言えば、マジ、と言われた。
どうすればいいのか分からなくて、とりあえず、春乃ちゃんに感謝した。剃れと同時に、ノリはこれを聞いたらどう反応するんだろうと考えた。

「何ノロノロしてんの。電話、しなよ」
自主連始める前にさ、と足されて私はいよいよか、と顔を強ばらせた。じゃ、と唯はそう言って通話を切った。私の返事を聞かずにぷつりと。
私は意を決して、電話をかけた。とある夏の出来事である。
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