現在、満員電車の中におります。
先ほど、友人とははぐれてしまい、ボッチ状態なのです。
次はー、次はー。と、独特の声の駅員の声がする。
あ、ココで降りなきゃ。そう思い、開いた扉の方を目指して歩くと……ガチャン。
あれ……え?
出発しまーす。
駅員の独特の声が乗車内に響き渡る。
いや、出発しまーすじゃねーよ! もうちょっと待ってくれよ!
……まぁ、しかたない、次の駅で降りるか。
フゥとため息をついて、次の駅まで電車にゆられる。
開いたドアから即降りて、自動販売機でお茶を買う。
あぁー、暑。今何度だよ。
トボトボと歩いて、反対側の駅で電車を待つ。
お、ちょうど来た、ヨッシャ。なんて上機嫌な私。
扉が開いた。うん、さっきよりは人が少なくなったな。
「……あれ、宮本さん?」
扉が開いた瞬間に聞こえた声。
真ん前には、青道のライバル、『稲城実業野球部』が居た。
*
「いやぁ、宮本さんが居るなんて驚いたよ。
あ、もしかして青道に行く感じ?」
成宮は言う。敬語、と後ろで声を出す原田君。
「あぁ、良いんだよ原田君。
もう慣れたし」
「すみません、本当。
うちのバカが」
「あっ! 雅さん!
今バカって強調したよね? ね!?」
成宮は原田君に言う。
おいおい、先輩だろうが。
「あ、そういえば原田君、主将なんだってね。
頑張ってね」
「ありがとうございます」
原田君は礼儀正しく、かつ冷静に言う。
いやぁ、本当。主将って感じだ。
そうこうしているうちに、神谷君と白河君と成宮が何やら騒ぎ始めた(主に成宮)
ので、原田君は止めにはいっていた。