あれからというもの。
友人は目の前で、御幸のいいところを片っ端から言っていきやがった。
少し例をあげてみると、眼鏡似合いすぎ、カッコいい、キャッチャーやばすぎ、笑い方やばすぎ、眼鏡ヤバすぎ……と、まぁ、眼鏡に関しての事が二つあった事は目をつぶろう。
とにかく、友人は御幸が好きならしい。
といっても、私からはアドバイスはあげられないので、頑張れと一言言っておいた。


「まぁ、御幸君の話はココまでにしておい……。
 どうなの? 結城君とは。どこまで進んだの?」

「どこまでって、どこまでも進んでないけど」

「えぇー、つっまんないのー」
友人はそう言って、ジュースに入った氷をワイルドに食べる。
その食べ方は行儀が悪いぞ。

「つっまんないのー、じゃないの。
 哲は今大事な時期なんだからね」

「あ! そっか、夏大」
友人は思い出したかのように言う。
おいおい、ついこの前まで野球部のマネージャーだったでしょうが。

「あ、てことは……あの約束とかしちゃったわけ?」

「あの約束って?」

「甲子園に連れていくよ、とかだよ!」

「え、あ、まぁ。一応は」

「一応ってなんだよ、もー!」
友人はそう言って、ジュースを注ぎに行ってしまった。
なので、私は一人、席に座って友人を待つ。
今の時刻は……あ、もう3時だ。
もうそろそろ野球部は練習か。皆、暑い中練習しているのか。
そう思っていると、居ても立っても居られなくなった。

「お? 彩花、どうしたの?
 そんな難しそうな顔をして」

「青道行くよ!」
私の声は、他のお客さんには届かず、
目の前に居る友人にだけに届いた。



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