「彩花さん」
「うん、今日も一緒に帰ろ」
「はい」
哲はそういうと、自主練に向かった。
「彩花さん、あんまり気にすることないと思いますよ?」
「!! 御幸君。
おどかさないでよ……あ、御幸君も練習?」
「まぁ、素振りをと思いまして……。
で、どうなんスか? あの方とは」
御幸はにやにやしながら言った。
「う、うるさい!
今日も一緒に帰る……だけ」
「ほー、良かったっすね」
「もう良いから。
ほら、練習しないと同級生に抜かされるよ?」
私は御幸の背中を押しながら純の居る方向へと持って行った。
純は御幸を見つけると、御幸を捕まえて何やらやっていた。
「はぁ……」
御幸に相談する私がバカだったわ。
なんて、その時の私は思っていた。
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