「て、哲也君! 帰ろ?」

「はい。帰りましょうか」

こんな帰りも日課と化してきた。
まぁ、好きな人と帰れるのは嬉しいんですけど……。
話せないで帰るのがまた辛いんです。



「……最近元気ないですね」
哲が横でボソリと言った一言であった。
私はピンッと背筋が伸びた。


「え、そんな事ないよ!?
 私だって真面目な時ぐらいあるよ!」
私は笑いながら言った。

「そうですか」
哲はそうやって心配してくれる。
だから、恋におちた私はもっと恋におちた。



酸素が足りない海に何時間もいるみたいに、
胸が苦しくなる。

あなたの言葉が、私の胸を締め付ける。



「……あ、じゃあ私こっちだから」
私はそうやって言って、その場から逃げた。


逃げないと、息ができなさすぎて死んじゃいそうだから。





2/5


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -