「そっか、無理、しないでね?」
「はい、すみません。
練習中なのに……」
現在、私はクリスの居る病院に居る。
クリスが肩を壊してしまったのだ。
まぁ、あの息子のクリスだから……なんていう期待が重かったのだろう。
オーバーワークすぎたのだ。
「良いんだよ、別に。
まぁ、一番悔しがってたのは御幸君なんだけどね」
正捕手争いがしたいだのなんだのって言ってたなぁ。
「そうですか……」
「大丈夫だよ、皆待ってるから」
私は席を立ち、クリスの病室を後にした。
*
「病状はどうだった」
「あぁ、監督。
気になるなら自分で行けば良いじゃないですか」
「気になるから行かせたんだろう」
「はは……そうでしたね。
まぁ、悔しそうでしたよ」
私は学校に着くと、監督に会った。
そんなに気になるなら自分の目で確かめればいいのに……。
「……いつもありがとうな」
「え?」
「今の二年の話だ」
監督はそういうと、二年生の練習を見た。
監督、知ってたんだ……なんて少し嬉しくなった。
「私、何もしてませんけど?」
私はそういうと、スキップで二年生の元へ行った。
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