※微妙な下ネタ入りまーす



猛暑日ってすごい。

猛暑日だけで幽体離脱体験できそう。



……死ぬ前に冷房入れようそうしよう。








「それにしても冷房入れてもこんなに暑いとか」


本当に勘弁してほしい。

しかも冷凍庫なにもないときた。


「買いに………行きたくないなぁ」


コンビニに着く前にぶっ倒れるよこれ。絶対。

俺も一人暮らしの身。部屋もなんとか呼吸できる程度に涼んだし、冷房を切ろう。だってほんと電気代が高いのなんの…!!


「誰かー…」


届かないと思ったこの想いに応じたかのように玄関から大きな音がした。

なんか壊れてそうだが…どうしよう…

でもその前にドアの音がすごくうれしいのだ。玄関からこんな音が聞こえる理由はただ一つ。



「名前!!!入るぞ!!!」


この男が来たからだ。

迎えに行きたいところだが、動けば動くほど体力が消耗されることを知っていて、俺はソファから動かない


「お前、ドア壊れてないだろうな…」


見に行けないことで変な汗をかく。


「多分心配御無用であろう!!気にせずとも地球は回っている故!!」


ここは俺んちなんですけど。

来てくれるのは嬉しいけど、こいつ、いるだけで部屋の温度が上がる上がる。

さっき下げたのになんてことしてくれるんだ。俺の電気代返してくれ。

部屋に入ってきた彼が汗びっしょりのTシャツと短パン姿を見て下唇をかむ。



「……そのような格好で寝ておられるとは…もしや某を…っ」


「違うからね。大体幸村が来ること知ってたら俺絶対防具つけるなりなんなりするから」


俺の身が危ないから。

ほんと、破廉恥破廉恥叫ぶものの、こいつのその破廉恥の境界線はなんですか。

いっつも俺をいやらしい目で見てくるわセクハラするわで今となっては勝手に俺の家の合鍵まで作って勝手に家に入ったりしてる(これ立派な犯罪だからね!!!!)

でもそれなのに俺がこいつのことを好きっていうことには変わりない。



「だが今までに防具はおろか、下着さえまとっておられなかった時もあったでござるよ」


「だっておま、それ急に風呂に入ってくるからだろ」


ほんとお前のあのチェリーボーイ素振りはお面か。お面なんだな。


「そんな話はどうでもいいでござる。それより某は名前とアイスを食べに参られた故、」


「俺の冷凍庫なんもねーよー?」


「故に、某が買ってきたのでござる」


さすがー、とぐっちょり汗をかいたシャツをパタパタさせながらも彼に近寄る。

着替えたいけど、これ実は今日で4枚目のシャツなんだよね。


「某が理性を保ててるうちに食べることをおすすめいたす」


「もうアイスもらうから帰って」


洒落んなんねー

コンビニのビニール袋から出したのはバニラのカップアイス。

っていうかそれしかなかった。

…………バニラ……ねぇ……


目の前の彼といったらこれまでにない笑顔でこれはこれは嬉しそうで。



「……幸村の分はないの」


「某の御心配は召されるな。遠慮せずと召し上がれ。」



あの馬鹿みたいに甘党な幸村が自分の分も買わないとはどういうことだ。ますます変だぞ。



「…そう…」



そう言って、たかがバニラアイスで俺は何を不信感を…………


「………」


と、とけかけてるぞ、これ!!

え?と彼に視線を送れば笑顔で返される。


わ、わざとだ!!確信犯だ!!!



「食べないのでござるか?」


「はぁ……また冷たいし……仕方ない…」


こうなればこいつの妄想癖に火もつけられないくらい早く食ってやる。


(せー、のっ)


いっきに飲もうと顔も上に向け、カップも90度上に傾けた


―のがいけなかった



―ぬちゃあ



「!?」


カ、カップに…き、切れ目が入ってただと!?

おかげで顔どころか首や肩まで………

やばい、血の気が引いた顔で彼を見た瞬間、聞きなれたシャッター音が鳴る



「名字名前、隙あり!!」


「てめっ!!消せ馬鹿!!」


「いやでござる、トイレを貸してもらうぞ」


「やめてほんとやめて!!!このエロ村!!」




まぁ、男の子だし?
(そんなに落ち込むことないでござる)
(大体なんでそんなことするために回りくどいことを…)
(某は名前の事を大切にしておる故この程度の悪戯は許されるものかと)
(………(大切にしてるなんて言われたらもう))


――――――――――――――

好きな子にはとことんいじわるをする人だと私は思います。

でも幸村だから大切にしたいっていう感じ?まぁ幸村ですし。うん。幸村ですし。

自分の分のアイスを買わなかったのは名前君をおかずにどうのこうので。

20110827


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