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余計な一言が聞こえたあたりでいれられた紅茶を先生の前に置く。

「お、さんきゅ。」
「はーい。……先生こそ最近なんかないの。」
「なんか?なんかって言ってもな……あぁ…この間俺のかわいいかわいい生徒がな、俺の授業でうとうとしててなあ…俺が自分の部屋に呼んで話を聞いたりしてかわいがってる生徒がな…心配だけどな、俺は悲しくてしょうがなかったよ。」
「へーーー…そんな生徒がいるなんて、先生ドンマイだね。」

先生がまさに心底悲しいです、という顔でそれは丁寧に教えてくれる。
聞かなきゃ良かったか?ていうかやっぱりこの部屋自分の部屋にしちゃってるんだなあ。

「ああお前もそう思うだろ?こーーーんなに気にかけてんのになあ。」
「まったく恩知らずな生徒だね、先生紅茶おかわりいる?いれてあげる。」
「まだ返事してねえけど。…なんか言いたくなったことあるんじゃないのかな?」
「……すみませんでした。」
「よろしい。で、なんでうとうとしてた?寝不足か?」
「……それが、えと、うーん……。」
「……。」

無言の催促。ゲームしてて寝不足でしたって良くないしなんとか誤魔化せないか…。

俺が悩んでいるのが伝わってしまったのか、誤魔化しは必要なしとのお達しが。なんで言いにくいとか言えないとかじゃなくて誤魔化そうとしてるってわかる…?

「えーと…ゲームしてました。」
「ゲーム、ほお、1人でか?」
「先生の授業があったときは…うん、前の日に1人で。」
「俺の授業があったときは、ってことは他の日もしてるのか?」
「うーん、まあ…週末とか。平日はやっぱ次の日しんどくなっちゃうし…。」
「そうか…、なんか悩んでるとかじゃなければ良いんだけどな。うとうとしてたのも俺の授業だけみたいだし、他の先生の授業ではしてないみたいだし。…他の先生に目つけられんの嫌だろ、気をつけろよ。ちなみに、俺の授業は寝ていいってことじゃないからな。」
「…はぁい。」

なんていうか、俺が何か悩んでて寝れてないのかもとか心配してくれてたのかな。…なんかゲームしてただけなのに心配かけて悪いことしちゃった気がしてくる…。

「なんか…すごくごめんなさい。」
「お、なんだしおらしい。そうだなあ、もう一杯茶でもいれてもらおうか。」
「ん、任せて。」

さっき沸かしたお湯はもうぬるくなってたからもう一度お湯を沸かし直すことにした。少しだけ水を足してケトルの電源を入れる、あとは待つだけだ。

「ゲームはいつも1人でしてんのか?」
「だいたいひとり。…こないだの週末は友達とした。」
「へえ…友達…。」
「燈夜以外に友達いたんだって顔すんのやめてくれる?」
「いや、だって実際そうだったろ。篠塚ともまあ話しはするみたいだけど、友達って感じのは本城くらいだろ。」

まあそうだけど、そうだけど。実際友達といえるほど仲が良いのは燈夜だけな気がするけど。

「お前あんまり自分からクラスのやつに話しにいくタイプでもないしな。そんなお前に友達が出来たなんて…先生は嬉しいよ。」
「俺だって友達の1人や2人作れるよ。…こないだのは友達っていうか知り合った先輩だけど。」
「先輩?」



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