7


「桐、今日弁当ない。」
「え、なんで。」
「めんどくさかったから。」
「許せん、しゃーなし購買行くぞ。晩御飯は唐揚げを所望する!」
「…わかったよ。」

燈夜昨日寝るの遅かったっぽいし、まあそうゆうこともあるだろう。誰かと電話してたみたいだけど、あんな遅くまで誰と電話してたんだろ。ちょっと気になる。


「俺おにぎり派。」
「俺も。」
燈夜と購買でおにぎり棚を物色。俺は鮭と明太子がすき。燈夜はおかか買ってた、なんかイメージじゃなくない?

「お、燈夜じゃん。」
「あ、副委員長、こんちわ。」
「おい、俺もいんぞ。」
「…委員長こんにちわー。」
「なんか棒読みじゃね?」

燈夜に声をかけてきたのはにこにこしたお兄さんと逞し系なお兄さん、お兄さんってゆうかたぶん先輩。
てか燈夜が委員長副委員長ってゆうからたぶん、あれだあれ。

「…もしかして風紀委員会の?」
「あぁ…委員長と副委員長。」
「委員長の九条剣悟。」

よろしくーと言いながら握手を求められる、手を握り返すと力強く握られる。よく見れば体格がいいかもしれない、真の細マッチョだ。

「俺は雨宮彩人、よろしくね。」
「柊桐です、よろしくお願いします。」
「柊くん、燈夜と同室くんかな?」
「はい、そうです。」
「へー。」

副委員長が微笑みながら俺の事をじぃっと見る。
こえぇーーーーー…。

「いいこそうだね、良かったね燈夜。」
「はぁ…まあ。」
「あはは、照れちゃって。」

「ねえ風紀委員会入らない?」

………………?
「え?」
「は?」
「何言ってんだ彩人。」

俺が風紀委員会???いや意味わかんないでしょ。俺この学校きてまだほんの数日、しかも燈夜から聞いたけど風紀委員って喧嘩してる不良を取り押さえたりなんだかんだで腕っ節も必要らしいし、副委員長には俺のもやしボディが見えていないのだろうか。

「いやいやいやあの、すみませんお断りします。」
「あーやっぱりかあ、なんで?」
「なんで…?なんでがなんでって感じなんですけど…。俺、今年入学してほんとに数日なので学校のこととかもあんまりよく知らないしですね…。」
「大丈夫、これから俺が教えてあげるから。」
「燈夜いわく腕っ節が強くないといけないとか。」
「大丈夫、風紀はね、事務系の仕事もたくさんあるから、書類作成とかね。なんなら腕っ節はこれから鍛えればいいよ。」
「あの、えっと…ええと…!とりあえずお断りします!」
「なんで?断る理由がないじゃない。風紀にはね、授業免除っていうのもあるんだよ。ねえ、やらない?風紀委員。」
「授業免除……あぁでも風紀委員会は大変そうだし、仕事も多そうだし、俺ちょっと、めんどくさいことは苦手だなあなんて…あは。」
「たしかに、普通の委員会よりも大変な仕事が多いかもしれないね。でも大丈夫、俺がフォローするよ。」
「うぐぐぐ……燈夜たすけて……。」
「無理。」

燈夜にすてられた…………。
俺がつらつら並べる言い訳というか反論というか断る理由を副委員長はにこにこしながらばっさりばっさり切り捨てる。まるで歯が立たない。俺からしてみれば必死の抵抗だが、副委員長からすれば猫が足元にじゃれついてくるみたいなものだろう。たぶん。






9/38
prevnext

Page

back to Top



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -