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HRのあとはいつも通り解散、委員会に入った人は集まりがあるらしいけど俺は結局どこにも入らなかったから関係なし。あとの人は部活見学とかもう決めてる人は仮入部とかでもう活動し出すらしいけど、俺は部活もいいかなぁ…ちょっとめんどくさいし。
燈夜は例の風紀委員会の集まりにいくらしく今日は1人での帰宅。

あ、今日は回り道して帰る。普通はめんどくさいからしないけど…やる気なしがやる気を出したときの行動力はすごいんだ。よし、今日は裏庭から回って帰るぞ。

*****
「ねこ!」
裏庭に回ってベンチでひなたぼっこをしていたら茂みからくろいねこが現れた。めっちゃかわいー。
「ねこー…。」
こっちきたかわいい!人に慣れてるのかな…?
でも触るのはちょっとこわいな…見るのは好きなんだけど触るのは慣れてないんだよな。

にゃーーー

!擦り寄ってきた!
足元に擦り寄ってきたねこがかわいくてかわいくて恐る恐る抱き上げるが抵抗しないねこ。

「かわいいなー。」
野良のわりに毛並みも良いし健康そうな感じがするけどもしかして誰かエサとかあげてる人がいるんだろうか…。
「お前ご主人がいるのか?」
って聞いても無駄かー。あーなんかぽかぽかだし眠くなってきたな。ちょっとだけ、ちょっとだけ寝る。
にゃーーー
「ん、お前も…ねる…か……。」





「クロ。」
にゃーーー
「ん……?」
ねこがにゃーーーとないて、胸から重みがなくなる。
目をうすーく開くと誰かのスラックスが目に入る、そのまま視線を上にあげると男前が目に入る。おぉ…。
なんか雰囲気的に先輩な気がする、とりあえず寝起きでだるい身体に鞭入れてふんばり起き上がる。

「…?」
「大丈夫か?」
「はい全然。」
さっきまで一緒に寝てたねこは男前先輩が抱えていて。
「あの、もしかしてそのねこの飼い主さんですか?」
「…飼い主…ではないな。寮では飼えないから来れる日はここでエサをやってるんだ。」
「ほぅ…なるほど。かわいいねこですね。」
「あぁ…そうだな。……お前新入生だろ、ここでなにしてたんだ?」
「えーと、今日はたまたまやる気でて、裏庭回って帰ろーって思ったらぽかぽかでねこがいて眠くなっちゃって寝てたんです。」
「そうか……外で無防備に寝るのは良くないぞ。」
「そうなんですか…?気をつけます。」
「あぁそうしろ。」


ブー
お、燈夜からメッセきた。
『どこいんの、はやく帰ってこい』
『裏庭、ねこかわいい』
『ねこ?いいからはやく帰ってこい、飯すんぞ』
『なるはやで帰ります』

部屋に帰ったらいなかったから心配してくれたのかな…?スマホで時間を見てみれば思ったより時間が経っていた。どうりで薄暗いわけだ。

「先輩、俺帰ります。」
「ん、そうか気をつけて帰れよ。」
「はい、さようなら!」
「…………。」

燈夜が心配するからはやく帰ろうと思って男前先輩にも挨拶をしたのだけど、先輩はじぃっとこっちを見ている。気のせい?自意識過剰?

「名前、聞いてもいいか?」
「名前…柊桐です。」
「鞠井京佑だ。桐…って呼んでもいいか?」
「はいもちろん、鞠井先輩。」
「京佑でいい。」
「きょーすけせんぱい?」
おぉ…親しげな先輩…うれしー。
「あ、俺そろそろ行きます!」
「あぁ…また来いよ。」
「はいまた!」



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