可愛い君へ

 すずちゃんは小柄で華奢で可愛らしいからか、男の征服欲みたいなものを刺激してしまうらしい。うちの客の中でも、すずちゃんを見てニタニタといやらしく笑っていたり、舌舐めずりをするようにすずちゃんを見つめていたり、そんな男をよく見る。そんな男は大抵すずちゃんを自分の物にしようと姑息な手で襲いかかってきたりするのだけれど、どうにかさせるわけないよね。だってすずちゃんは俺の彼女だから。

「かけるさん、すき」

 真っ赤な顔で、必死で俺に伸ばしてくる手を握りその手にキスをする。すずちゃんは身体中どこにキスをしても甘いから困る。何度抱いても飽きない。止められない。

「俺も好きだよ」

 そう言うと、きゅっと俺のを締め付けるのは無意識なのかな。本当に可愛い。すずちゃんの可愛いところはいっぱいある。顔や体など容姿はもちろん、一生懸命なところ、仕草、抱いてる時も、全部。でもやっぱり一番可愛いのは、俺以外の男に全く反応しないところ。俺がちょっと触っただけで簡単に濡れちゃうのに、他の男には全く濡れない。やっぱりすずちゃんは俺に愛されるために生まれてきたんだなぁと本気で思う。

「すずちゃん、俺に抱かれるの好き?」
「んっ、すき、だいすき」

 恥ずかしがらずに答えてくれるのも、調教の成果かな?ニヤッと笑ってしまうのは不可抗力だ。征服欲が、俺の中にないかと言えば嘘になる。きっとこうやって俺を求めるすずちゃんに興奮するのも征服欲の一つなのだろう。でもね、俺は。

「愛してる。一生こうやって、すずちゃんの全部を愛してあげるからね」

 甘く、優しく、そして果てしなく。すずちゃんをしっかり包み込んで、すずちゃんの全てを、俺の全てで愛してあげたい。すずちゃんの欲しがる全てを、与えてあげたい。

「すずちゃん、もう出していい?」
「んっ、中に、ちょうだい……?」
「……いいよ。全部あげる」

 俺にしがみつく小さな体をぎゅっと抱き締めて。すずちゃんの一番奥に全部注ぎ込む。ふるりと震えるすずちゃんの体が愛しくて、幸せすぎてため息が出る。すずちゃんに怖いことをする奴も、嫌なことをする奴も、全部俺が排除して、守ってあげる。甘く、優しく、息苦しいほどの愛を君にあげる。……だから。

「すずちゃんは俺だけ見てて?」

 他の選択肢なんか、与えないからね。翔さんしか見えないよ、なんて可愛いことを言う唇を塞いで。俺はまた愛しい体を抱き締めるのだ。

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