可愛いから

「なー、お前ってさ」
「んー?」

 片付けをしている俺に、悠介が悩んだ様子で聞いてくる。彩香ちゃんのことで悩んでいるんだろうなと思いながら耳を傾ける。

「ちょっとマンネリ化してきたなーとか思うことない?」
「ん?すずちゃんの話?」
「んー、すずちゃんっていうか、まぁそうだけど。セックスの話」
「……」

 マンネリ化。マンネリ化?マンネリ化……

「ごめん、ない」
「お前に聞いたのが間違いだった」
「何?彩香ちゃんとのエッチがマンネリ化してるの?」
「いやそもそもまだヤッてない」

 じゃあ悠介は何をそんなに悩んでいるのだろう。首を傾げていると、悠介は深いため息を吐いて悩みを吐露した。

「いや……、最近初体験のシチュエーションとかその後のこととか色々考えるんだけどさ」
「悠介童貞だっけ」
「はぁー、多分童貞の時より悩んでる」

 来るべき日に向けて色々妄想しちゃってる悠介、ちょっと可愛いな。ふふっと笑うと睨まれたから慌てて表情を引き締めた。

「マンネリ化してきた時どうしよう」
「俺がおもちゃプレゼントしてあげるよ」
「そういうアブノーマルな話は勘弁してください」

 アブノーマル?そうなの?

***

「ううっ、翔さん、もう……っ」
「もう、何?」

 俺たち、結構日常的に使ってるけど。すずちゃんの両手首をベッドに柔らかい紐で縛り付けおもちゃを入れてあげると、すずちゃんはとても感じてしまう。息も絶え絶えに俺を潤んだ瞳で見上げるすずちゃんは本当に可愛くて仕方ないんだ。

「翔さん、のがいい……!」
「ん、じゃあ後一回イッたら挿れてあげる」

 きゅん、とすずちゃんのそこが疼いたのが見ているだけの俺にも分かった。何て扇情的な光景なんだろう。脚は縛ってないのにちゃんと開いてるのも本当に可愛いよね。
 俺はジャージと下着を脱ぎ天井を向いているそれを自分の手で扱いた。すずちゃんはそれを見てゴクリと喉を鳴らす。ほんと、エッチな子。

「ほら、早くイッてくれないと俺も辛いな」

 すずちゃんの顔のすぐ近くで扱いていると、すずちゃんは物欲しそうに顔を近付けてくる。舌出して、と言うとすずちゃんの小さな口から真っ赤な舌が覗いた。舌がギリギリ届く距離で、俺は止まる。すずちゃんは必死でペロペロと舐めて、可愛すぎてもうイッちゃいそう。真っ赤になった乳首を摘まんであげると、すずちゃんの体は嬉しそうにガクガクと震えた。

「舐めたい?」
「っ、欲しい、翔さん、」
「んーでももう我慢できないから挿れちゃうね」

 俺はすずちゃんの腰元に移動すると、おもちゃを抜いて一気に自分のを挿れた。あー、たまんない。すっごい熱い。すずちゃんは涎を垂らしてイッてしまったようで、体が強張り背を仰け反らせている。突き出た乳首を口に含んで舌でコロコロと転がす。すずちゃんは掠れた声で喘いでいた。

「気持ちいい?」

 コクコクと壊れたおもちゃみたいに首を振るすずちゃんに、俺は優しく微笑みかける。可愛い。本当に。愛しくてたまらない。俺の愛情って重いかな?でもいいよね、すずちゃん気持ちよさそうだし幸せそうだし。

「愛してる。すずちゃん、可愛すぎて止まらない」

 腰をしっかりと掴んですずちゃんの小さな体を揺さぶる。俺のを抜こうとする度に離すまいと締め付けてくる中はとても気持ちよくて。俺ははぁ、と熱い息を吐いた。自由にならない体を俺に好き勝手されて感じちゃうすずちゃんって相当物好きだよね。……まぁ、それで喜んでる俺も相当だけど。

「すずちゃん、後ろ向いて」

 痙攣して力の入らないすずちゃんの体をシーツに寝かせ、腰だけ浮かす。また挿れたら、すずちゃんは悲鳴のような甘い声を上げた。お尻を揉みながら、何度も腰を打ち付ける。紐を解いてあげて、腕を掴んだ。腕を俺の方に引くと更に奥に入るらしい。

「っ、おかしく、なっちゃ、」
「大丈夫、俺が一生責任持ってあげるから」

 お尻を押さえて擦れるように腰を動かす。あー、気持ちいい。

「すずちゃん、イくよ?」
「っ、や、あっ、私も、イく……っ」
「ん、じゃあ一緒にイこう」

 何かが下腹部をせり上がってくる。腰の動きが速くなる。荒い息が混じり合って。俺たちは一緒に果てた。

 次の日。まだ悩んでいる悠介に俺は言った。

「悩まなくてもいいよ。可愛いとか好きとか思ってたら、何回抱いても飽きたりしないから」

 と。

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