◎ リクエスト企画の話そのさん
「ファントム・ペイン」
最初考えてたのが、女の子と男の子の殺し屋(外国人)が同じターゲットを殺すためにアパートの一室で姉弟として共同生活をするというラブコメな話でした。
でも殺し屋にする意味は…とか、オチが浮かばない、とかいろいろ唸っていたらふと……『これさ、アンドロイドじゃね?』って閃いたのでした。
言葉は通じるのに、違うモノ、これがいちばんやっかいな一方通行かなあと。
実は「神様の花嫁」のときも、キーワードのひとつに『一方通行』があったんですが、あのときはスタンダードな一方通行だったけど今回は『両想いなのに一方通行』にしました。
一見、弟からの一方通行なんですけどアンドロイドと人間って、どう頑張っても人間からの…つまり姉からの一方通行になるはずなんですよね。両想いだったら。
あくまで人間の基準ですけど、いくら『好き』って言っても、人間とアンドロイドの『好き』は違う。その違いに潰れてしまうのはきっと人間。
そのあたりは以前書いた「感情プログラミング」でわたしなりに答えを出した(なにをえらそうに)つもりなんですが、あの話の主人公はまっすぐな子供だったので、同じようなテーマでも今回はちょっと変わってくるかなあと、勝手に関連づけて楽しんでいました。
そもそも人間ですらない上に、弟。それをわかったうえで愛した姉と、姉が姉でないと知って安心(?)して恋に落ちた弟。向かい合わせなのに一方通行だとわたしは思ってます。
『偽物』『本物』のくだりとか、感情をプログラムしたのは科学者だけどその感情はアンドロイド自身のものっていうところとか、もっと掘り下げたかったけど短いお話にしたかったので断念。
とくに『感情』が何かについてはもっといろいろ考えてみたかったなーと。でも頭こんがらがっちゃうから駄目だなわたしの知性では!
弟の科学者への願いは、あとがきにもかきましたがありきたりです。でもスクラップにしてじゃない。
この願いが、この話をバッドエンドではなくて『ハッピーエンドの可能性もまだある話』にしているんですが、はっきり書いてない以上、バッドエンドと考えてくださっても構いません。
(ここから始めるとだらだら長くなるから「Noir」は追記で!)
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