「じゃあ父さん、俺は昼飯作ってくるから」
「あぁ。よろしく」
普通の顔で答えた。
その表情を見た智希は少し不服そうだった。
「それにしてもほんと智希くんって凄いですね」
「どこが」
父親の大事な中にスーパーボールなんか突っ込んでニヤニヤしているような息子ですが。
ムスっと顔を歪めたが、重里は全く気にする様子なくソファに座りだされたお茶をゆっくり飲む。
「料理できて、しかも成績もいいんでしょ?」
「どうだろ?赤点とかは取ったことないみたいだけど」
「俺なんか高校のとき赤点ばっかでいつも居残りさせられてましたもんー」
「それはお前がバカなんだろ」
「できたよーこっち来てー」
「はーい。あれ、泉水さん行かないんですか?」
「行くよ。先行ってて」
「?はい」
台所の扉の隙間から智希が見えた。
ニヤっと口端を緩んでこちらを見ている。
あいつ…俺が動いて悶えるの見る気だな。
絶対顔に出さずテーブルに行ってやる…!
ぐっと膝に手を置き力を込めて立ち上がる。
中が擦れる。
気持ちいい。
だめだ。
違うこと考えるんだ!
一歩歩くたびに中のスーパーボール同士が弾き合い中で暴れている。
今までに味わったことのない動きと感覚だ。
気持ち良過ぎて前を触らず後ろだけでイってしまいそうだ。
平常心平常心。
ぶつぶつ唱えていると、すでに座っている重里に箸を渡す智希にぶつかりそうになった。
「…大丈夫?」
「なにが?」
平常心平常心平常心。
智希のクスクス笑う声が後ろから聞こえた。