'cause i love you
02

一呼吸置いて、色んな感情が混ざり合って。

「はい、了解です」

ザァっと木々が揺れまだ肌寒い風がなびく。

「泉水、うちの高校選んでくれてありがとう。お前とバスケ出来たことは誇りだよ」

「やめてくださいよ大谷さん。俺の中でずっとあなたはキャプテンです。どんな環境になってもずっとキャプテンですよ」

「俺は?」

「キヨさんは、まぁ、良い先輩です」

「なんか薄くね?」

ケラケラと笑って、間があって、なんだか寂しくなって。

「頑張れよ、泉水」

「大学でお前の活躍チェックしてるからなー」

「了解です」

また、風が吹いて、二人が、去って。



4月になり、智希は3年生になった。
変わることのないと思っていた有志との関係が変わった高校2年生。

半年もすれば欲は薄くなるだろうと少しだけ思ってた。
しかしそれは全くの逆で。


「いってらっしゃい」

「いってきます」

ちゅっ、っと音を立てて唇を合わせる二つの影。
それはもう親子ではなく、完全に恋人である。



「おはよー泉水」

「はよ」

「眠そうだな」

昨日遅くまでヤってたからな。

「宿題終わってないとか?」

「んーまぁーそのー、なんていうか」

クラスメイトの藤森と道中ばったり会い一緒に行くことになった。

思いが通じ合ってからの決まり事、次の日が学校や仕事の時は「挿入なし」の約束。
いつもは金曜日の夜から土曜日にかけてほぼ1日抱き合っている二人だが、希に「お許し」が出る。

昨日は最後までさせてくれた。
むしろ父さんから求めてきた。

なぜか。それはきっと。


「沙希、おはよう。今日から智希は高校三年生だよ。君がいなくなって15年が経ったね。君はやっぱり、天国で」
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