「ほら、ジャケットシワになるよ」
「あ、ありがとう」
智希はため息を付きながら有志に近づき、ジャケットを脱がしてやった。
持ってきていたハンガーにかけて再びクローゼットへ持っていく。
「そうだよな、こんな時ぐらい楽しまないと」
「ん?なんか言った?」
服を直し終えた智希は、優しい笑みを浮かべながらベッドへ戻ってきた。
ギシっと音を立て有志の隣に腰を降ろし、にっこり顔を覗き込む。
「いいよ、ゆ、し…って呼んでも」
「え?」
「ゆ、有志って………呼んで…」
「今の、すっげーキた」
「智っ」
床のすれる音を鳴らしながら押し倒しキスを落とす。
有志の口端から唾液が溢れる程激しいキスを。
「ふっ、んんっ智っ、んっんんっ!」
「ん……有志…」
「っ…!!」
ゾクリと、キた。
「やめっ…」
「有志っ…有志」
名前を呼ばれる度に下半身が疼く。
耳を伝って脳を刺激し、甘く痺れさせていく魔法の言葉。
「智っ、んんっ、来たばっかなのに、んっ!」
「だってまじやばいもん。可愛い、有志」
「んんっ!」
何か媚薬を飲まされたんじゃないか。
と、思うほどの即効性。
「有志…の、俺の腹に当たってる」
「っ!違っ…!」
「違う?じゃあ見てみよ」
「ちょっ!」
ジーッっとチャックが降りる音が聞こえる。
有志は青ざめながら必死に止めようとするが、今までこういった状況になって智希を止めれたことは一度もない。
簡単に両手を捕まれ頭の上で交差し押し付けられると、智希は開いた手で器用にチャックの中からソレのみを取り出した。
情けない事に勢いよく上を向いて、元気よく弾きだされる。
「うわ、もうこんななってんの?」
「みっ見るんじゃない!」
有志は体をくねらせモジモジと抵抗するけれど、股の間に智希が入っているせいで足を閉じることはできず逆に煽っているようだ。