攻めが思い浮かべた体液をどちらか口にするまで出られない部屋

「あれ、開かないな。足りねえのか?」
突然閉じ込められた謎の部屋。
「い、虎杖! ちょっとストップ!」
ここは、体液――汗を一定量口にしないと出られないらしい。それで、先ほどから何度も頬にキスされているものの、なぜか一向に扉が開く気配がなかった。
「ねえ、私がやってみてもいい?」
「え? ああ、別にいいけど」
ぐいと顔を寄せる。赤くなった虎杖に構わず、まずは頬に口付けてみた。次に鼻、次に額……。ますます顔を熱らせる虎杖に笑いそうになるけれど、構わずキスを続ける。
「ナマエ、ちょっ、待って、なんかこれ……!」
「こら、暴れないで」
虎杖にまたがり、抑え込んでそれを続ける。
「あ、もしかして」
ふと思いつき、彼の頬をぺろっと舐めてみる。
「っ……!」
びくりと体を震わせた虎杖に構わす、そのまま続けて二度、三度。そのとき、ギィィと扉の開く音がして、はっとして顔を上げた。
「お、扉開いたよ、虎杖。……虎杖?」
呼びかけても反応がないのを不思議に思い、彼を見下ろすと――なぜか真っ赤になって顔を覆っていた。
「なにしてるの? 早く出ようよ」
「あ、ああ……」
様子のおかしい彼に、先程の行為を思い出して慌てて謝る。
「あ、ごめん、急に舐められたの、びっくりしたよね」
「いや……あの……扉が開いた。……新しい扉が」
「? だから扉開いたって言ってるでしょ」
ほら行くよ、とその手を引いていく。その日の虎杖は、なぜかしばらくおかしいままだった。




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