発情シリーズ

「ナマエ、マジで来るなって! ダメダメダメ!!」
「ダメじゃない! 私はいいって言ってるじゃん!」
真っ赤な顔で机の下に隠れる虎杖。私はその前に立ちながら、深いため息をついた。
「苦しいんでしょ? 手伝ってあげるってば」
「気持ちはありがたいんだけど……ちょっと別の問題が……」
目を泳がせながら申し訳なさそうに小さく呟く。その様子を見て、不思議に思ってその前に腰を下ろした。
「虎杖、どうしたの?」
「いや、うーん、なんていうか……」
そのとき、彼の手の甲から下卑た笑い声が聞こえてくる。
「くくっ、小僧は俺にお前との蜜月を邪魔されるのが辛抱ならんのだろう」
「くそ、宿儺!」
彼がパンっと甲を叩くと、そこにはただ赤みだけが残る。
「宿儺、出てくるの?」
「ああ、今の状況のせいか、うまく抑えられなくて。勿論完全には出てこねえんだけど、こいつの言う通り。……お前との邪魔、されたくないし。お前も他の奴に見られてると思うと嫌だろ」
そう言って、虎杖は気まずそうに顔を背ける。そんな姿を見てまたため息をつくと、彼の顔を無理やりこちらに向けた。虎杖が驚いて目を見開く。
「ちょ!」
「あのねえ、宿儺に茶々入れられることは気にしないというか、そんなの付き合うときに覚悟してるよ。私はそんなことより、今の虎杖の力になりたいの」
真剣な目で見つめると、虎杖もようやくまっすぐに私を見てくれる。
「私はいつだって虎杖しか見てないよ」
「ナマエ……そっか。ありがと」
彼は少し恥ずかしそうに笑うと、ようやく立ち上がる。
「そんじゃ、悪いけど付き合ってくれる?」
そう言ってひょいと私を抱きかかえると、ゆっくりとベッドに降ろした。
「優しくしてね、ゆーじくん」
冗談っぽく言いながら、まっすぐに彼を見上げる。
「……それは保証できないかも」
私を見つめながら、虎杖は悪戯っぽく微笑んだ。




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