発情シリーズ

私の部屋の真ん中、そこに正座するのは恵くん。私もなんとなく足を崩せず、同じく正座で彼と向き合っていた。
「状況はわかった。顔すごく赤いけど、今もその……結構辛いの?」
「ああ。正直しんどい」
恵くんの汗ばんだ肌に、どきりとする。ハンカチで拭こうと手を伸ばすけれど、恵くんが手を上げ、それを制した。
「悪いが、今は触るな。……止まらなくなる」
「は、はい」
そのまま、お互い無言のまま時が過ぎる。私のところに来たということは、そういうことだと思うけれど……。どうすればいいのか分からず、もじもじと手を動かしてしまう。
そんな気まずい雰囲気を先に破ったのは、恵くんだった。 
「ナマエ、その……優しくできないけど、いいか?」
「え?」
「お前を抱きたい。ただ、お前に無茶させると思う。それでもいいかと聞いている」
赤い顔でまっすぐに見つめられ、どきどきと心臓がうるさく騒ぐ。
「あ、は、はい!」
顔が熱い。緊張で喉が渇く。今日ってこんなに暑かったっけ。
恵くんがゆっくりと私を抱き寄せる。お腹に硬いものがあたり、思わずびくりと肩を揺らした。
「……怖いか?」
耳元で優しい声が響く。
「ううん、どきどきするだけ。……怖くないよ」
彼の大きな手が私の肌に触れる。恵くんの熱が滲んでいくのを感じながら、私もその背中に手を回したのだった。




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