僕らは連れ立って中央広場に行った。幽霊の人たちは見た目が怖いけれど、話してみると明るい人たちだった。
 中央広場にあるお店で、幽霊たちはめいめい食べる物を買い、またお化け屋敷へと帰っていった。僕らも何か食べようということになった。
 僕はソフトクリーム、リリイはカラフルな三段重ねのアイスクリームを持って、パラソル付きのテーブル席についた。
 遊園地で遊ぶ人は僕らしかいないはずなのに、どこもかしこもぴかぴかと灯りが瞬いていた。金平糖のような、遠くにある星のような灯り。今リリイが食べているアイスクリームみたいに、色とりどりの灯り。
 ソフトクリームは濃い味だった。牛乳くさい。昔風の味なのだろうか。
 この味のせいか分からないけれど、なぜか懐かしい気持ちになる。リリイはごきげんでアイスをほおばっている。なんだか前にもこんな場面があった気がする。誰かとこうやって向かい合わせでソフトクリームを食べていた。それがリリイだったのか、両親か、それとも別の誰かなのか、思い出せないけれど。




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