P3リアルタイムメモ。



2009.05.23(Sat) 12:06


「今日って、やっぱタルタル行くよな…?」
「ん、ああ、うん。真田先輩も張り切ってたし」
「あー、そだな。でも俺さ、これから予定あるんだよなー」
「ふーん」
「ゆかりっちも、なんか疲れてるーって感じだったじゃん?」
「うーん」
「だからさ……」
「俺、今日の昼ははがくれに行こうと思ったんだよね」
「は?…ああ、うん」
「そしたら、財布に700円しか無かった」
「そりゃあ…気の毒に」
「だから、今夜は何がなんでもタルタロスに行くよ」
「……そっか」

(コイツ、食い物が絡むと本気だよな…)




(真田先輩、今日は期待してますから!がんばりましょう!)
(ん?分かった、任せておけ!)



2009.05.20(Wed) 11:28


「はー、ようやく半分…」
「まだ半分とか…ありえねー」
「んー、じゃあ、俺帰るから。また」
「ちょっ、ちょっと待って。ね、あのさ、気になってたんだけど…君、テスト期間入ってから毎日どこに行ってるの?図書室、じゃないよね」
「それ、俺も気になってた!お前、全然ベンキョーしてるって感じしないし」
「順平には言われたくないけど…えーと、映画館」
「映画館?」
「うん、映画観に行ってる」
「テスト期間中なのに?」
「テスト期間中だから。だって早く帰れるから、1日でいくつか観れるよ」
「や、でもテスト期間だよ?」
「お前、本気で勉強してねーじゃん」
「あーうん。そう…かもね」
「いやいやホンキでしてないから!昨日だってお前、日付変わる前に寝ただろ!」
「そうだったっけ」
「そうだよ!俺が昨日ノート借りに行ったら、お前さ、今まさに寝るところーだったじゃん!」
「あー…」
「そもそも、今日だって教室に来てから今日の試験科目訊いただろ」
「……うん」
「つまり、お前は、ぜんっぜん勉強していない!」
「…順平は偉そうに言えた立場じゃないでしょ」
「うーん…でも、まあ大丈夫だから。とりあえず」
「何が!え、どこが?!」
「大丈夫。それより時間、間に合わなくなるからもう行くよ」




(…俺、ぜってーアイツよりは順位上だと思う!)
(……どうかなあ)



2009.05.15(Fri) 01:30


「あれ、岳羽も何か作りにきたの?」
「うん。寮って案外面倒だよね。部屋でお湯くらい沸かせればいいのに」
「確かに」
「君は?何を作りにきたの?夜食?」
「コーヒー。インスタントだけど」
「じゃあわたしもコーヒーにしようかな」
「なら俺やるよ。カップ、いい?」
「あ、うん。ありがとう…」
「ん。………はい」
「タンブラー…」
「え?」
「君、タンブラー使ってるんだね」
「気に入ったの、あったから」
「そう、なんだ」


「ポートアイランド駅前のコーヒーショップ、かわいいのもあったよ」
「え!」
「欲しそうだったから」
「あ…はは。うん、今度見てくる」
「うん」




(夜遅くまで試験勉強するのも、案外いいかも…)



2009.05.10(Sun) 00:00


嫌な予感というのは結構信用に値するものらしく、一日どこか落ち着かない気持ちで過ごした今日に、予想通りというべきか、その時間はやってきた。いつかの影時間に突然現れて、「もうすぐだよ」と告げた来訪者の言葉は、その素性云々はさておき、どうやら信頼できるらしい。

モノレールから見るタルタロスはまるで、世界の中心に聳える軸のように見えた。
全てが死に絶えたように静かな世界で、たった一つ呼吸をしている。


「不気味だよね」

そう云って岳羽は、表情を隠すように顔を歪めた。

「あんなもの、早くなくなっちゃえばいいのに」

横から、岳羽の表情をそっと覗き見る。普段より少しだけ早い口調の彼女は、怯えや憎しみや怒り、想像していたよりもずっと多くの感情をもて余しているように見えた。

「そうだね」

そう云った自分の言葉には、どのくらいの感情が籠っていたのだろう。
モノレールの先、順平が消えていった通路の向こうに視線を向ける。

今、やれることは、多分それほど多くはない。



2009.05.08(Fri) 21:56


「そういえば…今日、桐条先輩の誕生日だって、先輩のファンが云ってた…ような…」
「え、それホント?!どうしよう…同じ寮なのに何もナシってやっぱりマズイよね」
「マズイもマズくないも、もう今更仕方なくね?」
「でも知っちゃったのに知らないフリなんてできないでしょ」
「え、そういうもん?てかお前が悪いんじゃん!云うならもうちょい早く云えって!」
「お店、開いてるかな…っつーか桐条先輩が喜ぶ誕生プレゼントなんて全然思い付かないし!」
「ベ、ベタに花束とか…」
「絶対花屋なんて開いてないし!」
「じゃ、じゃあどーすんだよ!」
「今日さ、タルタロ…」
「「却下!」」






「どうしたんだ美鶴、今日は何だか荷物が多いな」
「ああ、誕生日だったからな。周りに色々と気を使わせてしまったらしい」
「なんだ、今日はお前の誕生日だったのか」
「まあ、一応な」
「そうか、おめでとう」
「先輩、おめでとうございます」
「ああ…ありがとう」




(ゆかりっち…俺は今、世渡りがなんたるかを見た)
(…わたしたち、完全に出遅れたよね…)






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