「おはようございます！であります」 「…えっと…アイギス…？どうしたの？」 「はい、この前は勝手に貴方の部屋に入ってゆかりさんに怒られてしまったので、部屋の前で待つことにしました」 「また、どうしてそんなこと…」 「毎日大会のために頑張っている貴方にエール！であります」 「…誰の入れ知恵？って順平しかいないか…」 「はい」 「…そっか…」 「おはようございます！」 「うん、おはよう」 「今日もがんばってください」 「うん、ありがとう」 「アイギスも付いていって良いですか」 「うん、ダメ」 （ア…アイちゃんがんばれ…！） （何してるんですか、順平さん…） |
「あ…おかえりなさい…。今日も部活ですか？」 「うん。大会、近いから」 「大会…」 「天田は？何か部活入ってないの？」 「僕は…あまり人と行動するのが得意じゃないので」 「ふうん」 「だって、面倒じゃないですか。何でも皆で行動しなきゃいけない、なんて」 「…天田にさ、いいこと教えてあげるよ」 「え？」 「グループから外れた存在から排除されていくんだ。意味なんてなくていい。生き残るためには何かしらのグループに組み込まれていなくちゃいけない」 「…え」 「面倒だよね。でも残念だけど、それが賢いやり方なんだよ。まあ、頭の隅にでも残しておいて。どうするかは天田次第だから」 |
「そういえば順平、今日皆既日食って知ってた？」 「は？え！今日?!」 「うん。多分今くらいが一番いい時間だと…」 「何ィー！」 「でも曇ってるからよく分からないけどね。…って行っちゃった…」 |
「ごめんアイギス。俺、あんまり人とずっと一緒に居るの、得意じゃないんだ」 「そうですか」 「…えっと、だからアイギス…ちょっと一人に…」 「何故ですか？アイギスは人ではありません。問題ないであります」 「そうかもしれないけど…ええと…」 「アイギスのことは気にしないでください」 「……」 （ふふ。珍しく困っているようだな…） （桐条先輩…なんだかすごく嬉しそう…） |
「待ってろ屋久島ー！」 「…てかさ、順平。何その荷物。無人島にでも行く気？」 「は？３泊するんだぜ？ゆかりっちこそ何だよその荷物。水着ちゃんと入ってんの？」 「は、入ってるってば！」 「順平くん…本当に荷物重そう…。大丈夫かな」 「岳羽も結構荷物大きいけどね」 「女の子はどうしても荷物が多くなっちゃうんですよ」 「ふーん…。でも山岸は荷物少ないね」 「あ、はい。わたし、得意なんです。荷物まとめるの。リーダーも随分と荷物が少ないですね」 「え、そう？」 「…随分極端に性格が表れたな」 「ああ、なかなか面白い…が、順平のアレはなんとかならんのか」 「伊織は…入寮してきたときもアレだったからな…彼の個性なのだろう」 「個性……？」 |