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先週の休みは蘭ちゃんと園子ちゃんに言われるがままに服を買いに行った。色々可愛らしいトップスやスカートを持ってこられたが、私服でスカートを持っていない事を言うと、スカートは外せないと逆に2人に火をつけてしまった。
パーティー用のドレスぐらいしか最近は着ていないから(最も私が選ぶものではないが)、あまり短すぎるのも運転に支障がありそうだし、スカートだけ買っても今の持ち合わせの服装に合うものはない気がすることを伝えると、だったらワンピースね!と2人とも張りきってワンピースを選んでくれた。


蘭ちゃんが選んでくれたのは淡い暖色系で花柄のワンピース。
園子ちゃんが選んでくれたのは真っ青のAラインのワンピース。

どちらも対象的ではあるが試着をするとどっちも悪くない印象を自分でも持った為に、迷わずに2着購入することを決めた。


これで2回デートに行けるわね、と園子ちゃんに言われたが、今持ち合わせている服だってデートに着て行っても全然問題ない…はず。
また遊んでくれるか問うと、ポアロに来ればまたいつでも会えますよ、と返されてしまった。
うーん…と考えるも、たまにはイタリアンのランチでもどう?と聞いてみると2人とも行きたい!と乗ってくれた。

でも、今度会ってくれるのは安室さんとのドライブが終わった後らしい…。


木曜は明後日に迫っている。
ドライブは正直楽しみなんだけど、気分的にはたまには自分のコルベットを走りまわしたい。ほぼ通勤でしか使ってないので、しっかりエンジンを回してあげたいところだ。
何て送ろうかな〜、やっぱり私の車でドライブしませんか?って言っていいのかな?
…でもなあ〜、 前からの約束だしな〜、
いや、やっぱりコルベットを走らせたい。そう決意してスマホを手に取ると1件未読のメールが入っている事に気付く。
時間は10分前、相手は今私が送ろうとしていた安室さんで。

“明後日 午後からでも大丈夫ですか?”

無論問題ない。
それより、悩んでいるのは車だ。


“大丈夫です。それより、木曜のドライブですが私の車に乗ってもらえますか?
たまには走りまわしたくて。気分じゃなければ断ってくれて大丈夫です”


ああ…送ってしまった。
そんな悪い車じゃないですよとでも付け加えれば良かったかな…
でも、それはそれで何か違う気がする……断られたらどうしようかなー。


いつものように冷蔵庫からバーボンとパイナップルジュースを取りだし、適当な割合でケンタッキーを作って飲み干す。


ん?断られて私は何が困るんだ?そもそもお客様だし。
きっと蘭ちゃんと園子ちゃんが囃し立てるから、少し変な気分になってただけだ。

机のスマホが気になるのを紛らわすためにもう1杯のケンタッキーを作り、つまみを口に入れる。
グラスのカクテルを飲みほしても鳴らないスマホに何とも言えない心のつっかえを感じながら目を閉じることにした。