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「安室さん!そうそう、真依姉、安室さんなんかどう?イケメンだし、優しいし。しかも安室さんは探偵なのよ!頭もキレるし、いいんじゃない?」

「園子ちゃん、私今日その安室さんに用があって此処に来たの」

そう言うと女子高生たちはえーっ!!とこれまた大きい声を出して驚いている。…なんだか誤解しているみたいだけど、こんなに目立つのなら早く帰りたくなってきた。

「真依さん、いつもの作業着とは違う姿なので、はじめは誰か分からなかったです。来てくれるなら、連絡してくれればよかったのに」

「あ、そうですね。いつもは繋ぎにキャップですもんね。あとすみません、私も連絡しようとは思っていたんですけど、この前頂いた名刺をなくしてしまったみたいで連絡が出来なかったんです」

「そうだったんですね…気にしないでください。それより、わざわざ来て頂いてありがとうございます。連絡先の交換なんて、それこそ直接すれば良かったんですしね。もう少しで落ち着くので、待っていてください。


あと、ご注文はお決まりですか?」



咄嗟に前と同じの、と告げると安室さんは再度カウンターの奥に行き姿が見えなくなる。
目の前の園子ちゃんと蘭ちゃんは何故か私に好奇心を剥き出しているみたいだった。

「真依姉が安室さんと知り合いだなんて知らなかったわ!ねえねえ、どういう関係?」

「どういう関係って……、彼はうちの工場のお得意様だから」

そう言うと2人は心なしかがっかりしていた。大丈夫、車が恋人だって言ったじゃん!って言えば、だーかーらーっ、男だって!っと物凄い勢いで園子ちゃんに返された。

「んー、今はそんなに必要な感じしないんだよねー。それより、華のJKの恋バナの方が私には興味あるかな」

蘭ちゃんとか、絶対彼氏いるでしょ!って言えばみるみる顔を赤くしていき、やっぱり若いっていいなあって微笑ましく思えてくる。
園子ちゃんも真さんはー、と遠距離の彼の事を素直な気持ちで語ってくれる。


「綺麗処が集まると、より華やかですね。はい、お待たせしました」

「わあ美味しそう…!ありがとうございます」

「また、僕もご一緒していいですか?…と言ってももう持ってきてるんですけどね」

そう言いながら私と全く同じものをもう1セット持ってきて椅子に腰かける。
「何やら賑やかでしたね」と言われ、「JKという若さを貰ってました」と冗談を混ぜて返す。

「真依さんも十分若々しく見えますけど」

「えーそんなことないよ!むしろ安室さんより年上だと思うし」

「いや、僕の方がきっと上ですよ。僕29ですし」

「…え、見えない」

まさかの安室さんが1つ上で驚く。絶対私の方が年上だと思っていたのに…と衝撃を受けていたらきょとんとした顔で安室さんが私を見る。首を傾げて見ないでくれ。